2026年10月17日(土)

AI・MarTech

AI技術とマーケティングテクノロジー

AI・MarTech

電通がAISASを22年ぶりに書き換えた「AIJES」——中心に置いたのがAIではなく人間の「判断」だった理由

国内電通グループ4社が新購買行動モデル「AIJES」を提唱した。Search(検索)がInteraction(問答)に、Attention(注意)がArchive(蓄積)に置き換わり、中心にはJudgment(判断)が人間の役割として据えられている。その5日後に電通デジタルはAI自律購買を前提としたACO支援サービスを開始した。この2つをどう読むか。モデルの弱点と、Archive/Scoreを今日から実務に落とす方法を示す。

AI・MarTech

コンテンツの成果が12年で最低の13.9%に——AI利用率92.4%は成果と「無相関」、では何が落としたのか

Orbit Mediaが1,042人のコンテンツマーケターに聞いた12年目の定点調査で、「強い成果が出ている」と答えた割合が13.9%まで落ちた。過去12年の最低値をさらに6ポイント下回る。一方でAI利用率は92.4%に達し、執筆時間は3時間20分まで短縮された。だが調査の結論は「AI利用は成果と相関していない」。本当の原因は、専門家との協働やキーワードリサーチといった、効果が実証されている施策を担当者がこの1年でやめたことにあった。日本のコンテンツ担当者が今週着手できる3つの立て直し策まで解説する。

AI・MarTech

ミューラーが使った主語は「あなたのページ」ではなく「あなたのサイト」だった——生成AI量産の失敗コストは、いま非対称に膨らんでいる

9月7日、GoogleのジョンGミューラー氏がプログラマティックSEOについて「システムがあなたのサイトへの信頼を失っている可能性がある」と書いた。同じ日、AI Overviewsは文字数カウンターをウィジェットとして内蔵した。組み合わせで作るページと、単機能で完結するページ。まったく別に見える2つのニュースが、検索結果の中で同じ運命をたどる理由と、量産ページを抱える運営者が使える2つの判断基準を示す。

AI・MarTech

AI Modeの中身が3週間で入れ替わった——Gemini 3.8 Flash投入で、順位変動を「コアアップデート」で説明する時代が終わる

Googleは9月2日、Gemini 3.8 Flashを発表し、同日からGoogle検索のAI Modeでも選択できるようにした。3.7 Flashからわずか3週間、6週間で3本目のFlashリリースだ。検索プロダクトの更新がモデルのリリーススケジュールに組み込まれたことで、「アルゴリズム更新を追う」という監視の前提が壊れ始めている。さらに導入価格は2026年末で終了し、2027年1月からトークン単価は2倍になる。この2つの事実が実務に何をもたらすかを整理する。

AI・MarTech

「ヘルプを開いた」だけで管理者権限が外部へ渡る——Rank Math問題は、AIエージェントを載せる全ツールの前借りである

400万サイトで動くSEOプラグインRank Mathが、ヘルプ画面を開いた瞬間に管理者権限のApplication Passwordを生成し外部サーバーへ送っていると指摘された。事前の認可画面はなく、タブを閉じても失効せず、機能を止める設定もないという。AIエージェントを製品に載せれば権限が要る。ユーザーが認識する同意と、システムが取得する権限の粒度がずれる構造は、Rank Mathだけの問題ではない。今日できる確認手順まで。

AI・MarTech

あなたのShopifyストアには、8月5日から10個のAI用APIが黙って生えている——WebMCPは「実装の3層」が揃った月に何を変えたか

Shopifyが8月5日、全Liquidストアフロントに10個のWebMCPツールを一括展開した。設定不要、通知もない。同じ月にCloudflareがエッジ注入のプレビューを公開し、OpenAIがChatGPTデスクトップに「Site tools」を追加。サイト・経路・エージェントの3層が同時に埋まった。ただしWebMCPは順位にも引用にも関与しない。エージェント向けインターフェースの決定権がプラットフォームへ移る構造と、日本のEC・Web担当者が今週やるべき4点を整理する。

AI・MarTech

大正製薬のGemini活用で「2か月が1日」——注目すべきはEC39%増ではなく、20人を1部屋に集めた工程のほうだ

大正製薬がリアップのプロモーションにGeminiを導入し、店頭6%増・EC39%増を達成したと報じられた。ただしこれは自己申告のYoY数値で、対象月も測定期間も非公開だ。本記事では数字の留保を明示した上で、再現可能な部分——マーケ4部門・営業・電通・Googleの約20人が同席し、2か月の工程を1日に圧縮した体制——に焦点を当てる。

AI・MarTech

SalesforceがMCPで全機能をAIエージェントに開放した——SaaSの競争軸は「使いやすいUI」から「エージェントに正しく読まれる設計」へ移る

Salesforceが8月19日、AIエージェント基盤「Headless 360」を大幅拡張した。Headless 360 MCP ServerによってAgentforce、Claude、ChatGPT、Cursor上のエージェントがSalesforceの機能を動的に発見・実行でき、Data 360 MCP Serverは約200のAPIを開放する。マーケターが「ツールのUIを開かない」前提が現実味を帯びたとき、次のボトルネックはメタデータの品質と権限設計になる。

AI・MarTech

Meta AIが自社の広告を採点しはじめた同じ週、MicrosoftはCPCの上限設定を取り上げた——先に溶けるのは「月次レポート」という納品物だ

8月20日、MetaがMeta AIに広告アカウントとGoogle Workspaceを接続できるようにした。オーディエンス、クリエイティブ、予算配分を会話で分析し、その結果をスライドや表計算に出力する。同じ週、Microsoft広告は10月1日から新規キャンペーンでMax CPCの設定を廃止すると告知した。二つを重ねると、運用者の仕事のどこが先に消えるかが見える。同時に、Metaの推奨は「Metaに使う金の使い方」の助言でもある。この構造的な利益相反をどう扱うかを整理する。

AI・MarTech

Claudeの透かしは「事実が詰まった文章」ほど薄くなる——AI検出の主戦場は、AI判定ではなく凡庸さ判定へ移っている

AnthropicがClaudeの生成テキストへの電子透かしについて技術解説を公開した。注目すべきは仕組みそのものより、同社が明記した「効かない条件」だ。事実が詰まった文章、コード、人間原稿の軽い校正では透かしが薄くなるか付かない。一方LinkedInは透かしを使わず、文体と挙動でAIスロップを判定している。この2つを重ねると、マーケターが本当に警戒すべき対象が見えてくる。

AI・MarTech

AIエージェントは「入札」をやめて「交渉」を始めた——86%少ないオークションで買い、CPMは13.4%安い。運用型広告が20年ぶりにテレビの買い方へ戻る

DataBeatの計測で、AIエージェント経由の買い付けは従来型より86%少ないオークションにしか参加せず、落札CPMは13.4%低いことがわかった。IAB Tech Labが2026年に標準化を進めるエージェント型プロトコルは、実装を見るとリアルタイム入札の拡張ではなく、事前交渉・固定価格というテレビの取引モデルの再現に近い。The Trade Deskの決算が示す圧力、AAMP 2.3が「価格の捏造」を防ぐフィールドを追加した意味、そしてCTVがすでに通った同じ道を整理する。

AI・MarTech

Claudeの全出力に透かしが入った——ただし「読める人」はまだ誰もいない。AI検知を前提にした発注が成立しなくなる

Anthropicが8月2日以降にローンチしたClaudeモデルの生成テキストに、機械可読の埋め込み透かしを入れ始めた。EU AI Act第50条への対応だが、適用範囲は全世界。ところが検出のための技術文書はまだ公開されていない。さらにAnthropic自身が「マークの検出はAI著者性の証明にならない」と明記した。AI検知を前提にしたコンテンツ発注・外注管理は、提供者本人によって足場を外された形になる。ではどこで品質を担保するのか。