2026年10月12日(月)
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9月末、Google広告から「言語」のスイッチが消える——AI Max自動移行と同じ月に、日本の広告主が確認すべき3点

Google Adsヘルプに、2026年9月から検索キャンペーンのキャンペーン単位の言語ターゲティング設定を撤廃すると明記された。同じ月にはブロードマッチとACAのAI Max自動移行も走り、9月4日にはAI Modeへ完全一致・フレーズ一致を配信する実験も確認されている。3つを重ねると、Googleが制御をどこへ移しているかが見える。言語設定をふるいに使ってきた日本のアカウントが9月中にやるべき3点を示す。

WebTech Journal 編集部

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Google広告の管理画面から、キャンペーン単位の「言語」設定が消える。Google Adsヘルプの「言語ターゲティングについて」には、2026年9月から検索キャンペーンとP-MAXの検索ネットワーク部分で言語ターゲティングの仕様が変わる、という注記が入っている。同じページには「この変更について広告主側の対応は必要ありません」とも書かれている。だが日本語で運用しているアカウントほど、その一文を額面どおりに受け取らないほうがいい。

何が消えて、何が残るのか

公式ヘルプの記載を整理すると、変更点は次のとおりだ。

  • 検索キャンペーン: キャンペーン単位の言語ターゲティング設定が撤廃される。検索広告は「広告の言語」に基づいて自動的にマッチングされる
  • P-MAX: キャンペーン単位の言語設定は検索ネットワーク上の広告に適用されなくなる。YouTube、ディスプレイ、Discover、Gmailには従来どおり適用される。P-MAX内のショッピング広告はもともと言語設定の影響を受けない
  • 言語の除外: 現在サポートされておらず、今回の変更後もサポートされない
  • API: 新規の検索キャンペーンでは言語条件(language criteria)の送信を停止する。既存キャンペーンの言語条件は適用されなくなるだけなので、削除は必須ではない

Googleが挙げた理由は、言語ターゲティングの簡素化、冗長性の排除、設定ミスの防止の3点だ。広告システムはすでに言語を自動でマッチングしており、複数言語の広告が入札対象になった場合はAIによる広告グループ・アセットグループの優先順位付けが、オークション時点のユーザーの文脈と言語設定に応じて最も関連性の高い広告を選ぶ、という説明である。

「対応不要」が成立する条件と、しない条件

Googleは、英語キャンペーンとスペイン語キャンペーンを分けているような単一言語構成であれば従来どおり機能する、と明言している。日本語オンリーで組んでいるアカウントの多くは、たしかにこの条件に当てはまる。

問題は、言語設定を「ふるい」として使ってきたケースだ。日本のアカウントでは、言語を日本語に絞って日本語話者以外への配信を抑える、あるいは日本語と英語を併記してインバウンド需要を拾う、といった設定が広く使われてきた。この設定が消えると、判定材料は広告文とランディングページの言語、そしてユーザー側の言語シグナルだけになる。日本語の広告文から英語のLPに送っているような言語不一致は、これまで設定側で吸収されていた歪みが、そのまま配信結果に出る構造になる。

同じ月に、もう1本のレバーも抜かれている

見落としやすいのは、この変更が単独で起きていないことだ。Googleは2026年9月1日から30日にかけて、キャンペーン単位のブロードマッチとACA(自動作成アセット)を使うキャンペーンをAI Maxへ自動移行している。当初は動的検索広告(DSA)も同月の予定だったが、2026年6月11日にGoogle Ads Developer Blogで2027年2月へ延期された。9月中のDSA利用者に対しては、任意アップグレードを促す管理画面通知が出る段階にとどまる。

つまり9月のGoogle広告では、「言語」と「マッチタイプ・アセット生成」という2つの手動レバーが、ほぼ同時に自動化側へ移された。実務上の本当のリスクは、どちらか一方の影響そのものではない。9月末から10月にかけて指標が動いたときに、原因を切り分けられなくなることにある。

一方で、Googleは制御を返してもいる

反対方向の動きも同じ月に出ている。2026年9月4日、GoogleのAds LiaisonであるGinny Marvinは、通常の検索キャンペーンの完全一致・フレーズ一致キーワードでAI Modeにテキスト広告を配信する小規模な実験を開始したと認めた。彼女はLinkedInのコメントで、対象は明示的で直接的な意図があるケースに限られ、複雑な会話型の意図はAI MaxとP-MAX for Searchが担うと補足している。

これは小さくない変化だ。それまでAI Mode面に露出する経路は、AI Max、P-MAX for Search、あるいはブロードマッチとスマート自動入札の組み合わせに限られていた。実験段階とはいえ、キーワード制御を手放さないままAI Mode面に届く道が開いたことになる。実験がそのまま正式提供になる保証はなく、この段階で予算配分を動かすのは早い。

3つを重ねると、Googleがやっているのは制御の削除ではなく、制御レイヤーの引き下げだと読める。キャンペーン設定という上位のレバーを外す代わりに、広告文・LP・キーワードという素材側の精度がそのまま配信結果を決める設計に寄せている。設定画面で調整してきた人ほど、調整先を素材に移す必要がある。

9月中にやっておく3つ

  1. ベースラインを保存する。 言語設定が生きている状態の検索語句レポートを、キャンペーン単位で書き出しておく。移行後に「配信対象が広がったのか、AI Maxの影響なのか」を後から判定する材料になる
  2. 広告文とLPの言語一致を点検する。 今後は素材の言語が主要なシグナルになる。日本語広告×英語LP、英語広告×日本語LPの組み合わせを洗い出し、意図的でないものは揃える
  3. AI Max移行の有無と日付をキャンペーン単位で記録する。 記録があれば、10月の変動を2つの変更に切り分けられる。これがないアカウントは、10月の振り返りで「原因不明」と書くことになる

「対応不要」は、Googleから見れば正しい。この変更でアカウントが壊れることはない。だが、なぜ数字が動いたのかを説明する責任は、広告主側に残ったままだ。

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