「監修者」の顔写真がAI生成で、経歴も実在しない——そんなコンテンツに、Googleが公式ガイダンスで明確に「ノー」を突きつけた。Search Engine Journalの報道によれば、Search Centralの「有用でユーザーを第一に考えたコンテンツ」のページに、10月1日版で偽の著者情報への警告が加わった。
何が書き加えられたのか
Googleの該当ドキュメントでは、「誰が作成したか(Who)」の節で、正確な署名(バイライン)を推奨する既存の記述の直後に、欺瞞的な著者情報を避けるよう求める段落が置かれた。例として挙げられているのは、AI生成の顔写真、架空の氏名、虚偽の資格・経歴だ。こうした偽装は、ユーザーと自動品質システムの双方にとって「ページの信頼性を損なう」ものであり、低品質ページのシグナルになる、という趣旨である。同じ版では「メインコンテンツ」の定義(ページの目的達成に直接役立つ部分)も追記されている。
「新ルール」ではなく「明文化」である
重要なのは、これが突然の新基準ではない点だ。SEJは、品質評価者向けガイドラインがすでに偽の制作者プロフィールや虚偽の専門性主張を欺瞞として扱い、最低評価を付けるよう指示してきたと伝えている。今回は、その考え方がサイト運営者向けの公式文書にも明記された、と読むのが妥当だ。
一方で、自動システムが偽の著者プロフィールをどう検出するかは説明されていない。SEJによれば、更新履歴ページにもこの編集は記録されていなかった。つまり、ペナルティの有無や強さについて断定できる材料はない。ここは確認できていない部分である。
時系列で重ねると見えるもの
10月の動向をまとめた週報によると、Googleは10月初旬に生成AIコンテンツに関するガイダンスも編集し、レビューされていないAIコンテンツに直接言及した。同じ週報には、9月のスパムアップデートが10月8日に完了したことも記録されている。これらを重ねると、Googleが「量産された、責任の所在が曖昧なコンテンツ」への姿勢を文書面でも固めている流れが見える。これは筆者の解釈であり、Google自身がこの3点を関連づけて説明しているわけではない。
日本のサイト運営者にとっての論点
日本では、医療・金融・美容などの領域で「監修医師」「ファイナンシャルプランナー監修」といった表記が広く使われる。ここで注意したいのは次の点だ。
- 監修者が実在し、実際に内容を確認しているか。名義貸しだけの状態は、実態と表記が乖離する
- 顔写真やプロフィールが、実在の本人のものか。生成画像や素材写真の流用は避ける
- ライター名が屋号やペンネームの場合、実在の担当者に紐づく運営者情報がサイト内で確認できるか
- AIで作成した記事は、人が責任を持ってレビューした記録を残しているか
反対に、匿名で書くこと自体が直ちに問題になるわけではない。ガイダンスが問題視しているのは「偽ること」であり、「名前を出さないこと」ではないと読める。ただし、YMYL領域では匿名より実名・実在の根拠が有利に働くと考えられる。
今週の棚卸しリスト
- 著者・監修者ページの全件確認(実在性、経歴の根拠、写真の出所)
- 実態のない監修表記は、表記を外すか、実際に監修を受ける体制へ切り替える
- AI活用記事の編集フロー(誰が確認し、どこに記録するか)を文書化する
検索評価の基準が文書化されるときは、すでに運用上の「許容ライン」が動いた後であることが多い。早めに自社の実態を点検しておく価値は高い。