2026年10月17日(土)
データ分析

Google Ads APIが月2回リリースへ——v26のSearch Lift指標15種が突きつける、広告運用ツール保守の新しい現実

Google Ads APIは10月12日の告知どおり、v26から月2回のリリースに移行する。v26ではSearch Liftの計測をAPIで扱える指標が15種追加された。リリース頻度の変更が自社開発・外部ツール・代理店の運用保守に与える影響と、公開情報では分からない点、担当者が確認すべき項目を整理する。

WebTech Journal 編集部

編集・執筆

|
|
3分で読める

広告運用の自動化ツールや社内ダッシュボードを、Google Ads APIで動かしている会社は少なくない。そのAPIが、v26から月2回のリリースに変わる。Google Ads Developer Blogによれば、この方針は10月12日に告知され、v26は10月14日に発表された。機能の中身より、更新の速さのほうが現場への影響は大きいかもしれない。

v26で何が変わったか

公式ブログとSearch Engine Landの記載を合わせると、主な変更は次のとおりだ。

  • Search Lift計測:読み取り専用のSearchLiftKeywordBundleリソースが追加され、relative_search_lift、normalized_incremental_searches、search_lift_impressionsを含む15の指標を取得できる
  • ローカルサービス向けPerformance Max:作成時の設定が必須で、後から変更できない
  • EU政治広告の宣言:EU域外のみを対象とするキャンペーンなど、条件を満たす場合は宣言が不要になりうる
  • 拡張コンバージョン:アカウントレベルの設定を一元的に扱える
  • Demand Gen:通貨ごとの最低日予算の情報を取得できる

新機能を使うには、クライアントライブラリとコードの更新が必要だと公式ブログは明記している。

リリース頻度の変更が意味すること

Search Engine Landによると、リリース告知記事とYouTubeのライブ配信は、複数リリースをまとめて四半期に2回へ移る。個別の変更を追うには、リリースノートを見る必要がある。

ここから先は筆者の考察だ。月2回になれば、すべてのバージョンに追随する必要は必ずしもない。使いたい機能が入ったバージョンだけ上げる運用も成り立つ。ただし、古いバージョンがいつ廃止されるかが分からなければ、その判断はできない。公式ブログのv26告知には廃止スケジュールの記載がなく、別の10月12日付告知に委ねられている。ここは必ず原文で確認すべき点だ。

同じ週には、Google広告のチャネル優先度と予算配分の上限も発表された。Search Engine Journalによると、APIは提供開始時点で対応するという。UIの新機能が、APIとほぼ同時にツールへ波及する前提で設計する必要が出てくる。

慎重に見たい点

Search LiftのAPI指標は15種が追加されたものの、公式ブログは参加条件や必要な予算規模を示していない。日本の広告主がどの範囲で利用できるかも、参照した記事からは確認できなかった。指標名が公開されても、それを意思決定に使える品質かどうかは、実データで検証するまで分からない。

担当者が確認すること

  1. 利用中のAPIバージョンと、公式の廃止スケジュールを突き合わせる
  2. 外部の運用ツールや代理店が、新バージョンへ追随する体制と頻度を持っているかを聞く
  3. Search Liftを使う予定があるなら、自社アカウントで対象になるか、まずUI側で確認する
  4. EU向けの配信がある場合は、政治広告の宣言まわりの仕様変更が自社に当てはまるかを点検する

関連記事

データ分析

ChatGPT流入「4割減」の正体は計測の穴だった——UTM欠落が暴いたAI流入レポートの脆さと、今すぐやるべき3つの対処

10月9日前後からGA4でChatGPT経由のセッションが急減したが、複数の調査はトラフィック消失ではなく「リンクのタグ欠落による直接流入への振り替わり」を示している。OpenAIはバグを認め修正が始まったとされる。本記事では各社データを突き合わせ、事実と未確定部分を切り分け、AI流入を経営層に報告するマーケターが取るべき対処を整理する。

データ分析

GTMが「gtag.jsなし」で計測できるように——Google公式の最適化機能を、切り替える前に確認したい5つの注意点

Googleタグマネージャー(GTM)に、gtag.jsを別途読み込まずGoogleの計測先へ直接データを送る最適化機能が加わった。Googleは表示速度やデータ収集の改善を挙げるが、具体的な数値は示していない。公式ヘルプとSearch Engine Landの報道から確認できる事実を整理し、既存コンテナを切り替える際の注意点と、実務者が試す順序を示す。

データ分析

IDに頼らない効果測定が3方向から同時に出てきた——楽天・Netflix×AJA・ビデオリサーチの発表を読み解く

9月30日〜10月1日、国内で「ID連携に頼らない効果測定」の発表が相次いだ。楽天のオフライン購買の日次可視化、NetflixとAJAのデータクリーンルーム計測、ビデオリサーチの合成データによるバーチャルパネル。3社の手法はまったく別物だ。何が測れて何がまだ測れないのか、実務者目線で整理する。