見えなくなったリンク先
2026年8月26日、Googleは検索結果のリンクに「google.com/goto?url=...」という暗号化リダイレクトを本格導入したことを認めた。米Search Engine Landの取材にGoogleは「進化する不正利用に対して、長年こうした技術的措置を講じてきた」とコメントしている。
これまで検索結果のURLはそのまま表示され、マウスを乗せれば行き先が丸見えだった。導入後は、自社サイトへのリンクであっても、いったんgoogle.com/gotoを経由してからリダイレクトされる。目的はSerpAPIのようなサードパーティによるSERPスクレイピング対策とされ、Search Engine Roundtableがまとめた9月のGoogle Webmaster Reportでも、8月のスパムアップデートと並ぶ大きな変更点として扱われている。
「計測が壊れる」という不安、実際はどうか
導入直後、SEO業界では「サイトのアナリティクスが直帰・ダイレクト扱いになるのでは」という懸念が広がった。だが計測ツールAttributerがmacOS・Windows・iPhone・Androidの主要ブラウザ10通りの組み合わせで検証したところ、結果は明確だった。すべての組み合わせで参照元情報は保持され、GA4は流入を正しく「Organic Search」に分類した。
理由は技術的にはっきりしている。Google検索のページにはreferrer policyとして「origin」が設定されており、送信されるのはドメイン情報のみだ。goto経由のリダイレクト先も同じgoogle.comドメイン内にあるため、ポリシーがそのまま適用され、参照元は失われない。つまり自社のGA4やSearch Consoleで見ている「オーガニック検索」の数字は、今回の変更で歪んでいない。
壊れるのは別のところだ。SerpAPIのような外部スクレイピングツール、順位計測(ランクトラッキング)サービス、SEO担当者が日常的に頼っているサードパーティのSERP監視ツールは、URL構造の変化の影響を受ける可能性がある。Google自身も「Search Consoleはこの変更の影響を受けない」と明言している。
同じ夏、AI Overviewも既定で「開く」側に倒れた
この変更とほぼ同時期、Googleは検索結果のAI Overviewについても、一部クエリで「Show more」ボタンを廃止し、要約とチャット欄が最初から全展開される仕様に切り替えたことが8月28日に確認された(Search Engine Roundtable)。ユーザーがすでにスクロールしていた場合は展開を止め、読んでいた位置を保持する配慮はあるが、初見のユーザーには自動的により広い要約面が提示される。記事は率直に「パブリッシャーにとって良くない」と指摘している。
goto導入が「検索結果の外側(URL)」を閉じる動きだとすれば、AI Overviewの自動展開は「検索結果の内側(画面)」でオーガニック枠を押し下げる動きだ。方向は違うが、どちらも「Googleの検索結果ページの中でユーザーを長く留める」という一つの意思の表れと読める。
日本のマーケターが今すべきこと
1つ目は、自社のGA4・Search Consoleの数字を信頼していい、と社内に説明すること。goto導入を理由に急に流入経路の見直しを迫られる必要はない。2つ目は、順位計測ツールやSERPモニタリングサービスを使っている場合、ベンダーに影響有無を確認すること。3つ目は、AI Overviewの自動展開範囲が広がっている以上、オーガニック順位1位でも実クリックは目減りし続けるという前提で、ブランド指名検索や言及獲得など「クリックされなくても効くSEO」への配分を見直すことだ。
出典
- Google confirms deploying goto URL redirects to search results links - Search Engine Land
- Google Making AI Overviews Into AI Mode Responses - Search Engine Roundtable
- Does Google's New goto Redirect Break Attribution? We Tested It - Attributer
- September 2026 Google Webmaster Report - Search Engine Roundtable