2026年9月2日(水)
広告

Google Marketing Live 2026は明日5/20開幕——DSA終了・AI Max移行・Meridian Studio、明日までに確認しておく「事前発表」の要点と日本広告主の準備事項

Google Marketing Live 2026が日本時間5月21日未明に開幕する。今回の特徴は、本番のキーノートに先行して4月末から5月にかけて「事前発表」が連発されている点だ。AI Maxのβ卒業、Dynamic Search Adsの9月強制移行、Meridian GeoXとMeridian Studio——既に手の内が見えている部分も多い。本記事では公式発表からアップデートを整理し、明日のキーノートで何が新規発表として残るか、日本の広告運用者がどこまで準備しておくべきかを検討する。

WebTech Journal 編集部

編集・執筆

|
|
6分で読める

Google Marketing Live(GML)は、毎年Googleが広告主向けに最大規模の新機能を発表するイベントだ。2026年は5月20日(日本時間5月21日0:45開始)に完全オンライン形式で開催される。今年の異常な点は、本番までに既に多くの発表が「事前リリース」されていることだ。

事前発表1:AI Maxがβを卒業、9月にDSAを強制吸収

4月30日、GoogleはAI Max for Search Campaignsを正式にβから一般提供(GA)に切り替えた。公式ブログによれば、AI Maxを使用した検索キャンペーンは、検索語句マッチング・テキストカスタマイズ・最終URL拡張のフルセットを有効化した広告主で、同等のCPA/ROASで平均7%多いコンバージョン(もしくはコンバージョン値)を獲得しているという。

注目は移行スケジュールだ。2026年9月から、Dynamic Search Ads(DSA)、自動作成アセット(ACA)、キャンペーン単位のブロードマッチ設定を使用しているキャンペーンが、AI Maxへ自動アップグレードされる。Search Engine Landの報道では、これは事実上のDSA終了通告と評されている。日本でDSAを長年運用している広告主は、夏休み前に移行テストを始めるのが現実的な選択肢だ。

さらに4月30日には、トラベル広告も標準のSearch CampaignsにAI Max経由で統合されることが発表された。専用フォーマット(旅行用ホテル広告等)を別建てで運用してきたOTAは、入札・レポート・クリエイティブ・フィードを一本化する設計変更を迫られる。

事前発表2:Meridian GeoX とMeridian Studio——計測「ML軸」の本格化

5月5日、Googleで広告購入・分析・計測を統括するVPのGaurav Bhaya氏が「データを意思決定に変える」と題したブログを投稿し、3つの軸を提示した。

まずData Managerの強化。BigQuery、Google Drive、HubSpot、Shopify等とのデータフローを可視化するマップビューが追加される。Googleタグもビジュアル設定フローに刷新され、既存タグはコードを書かずに移行できる。「Google tag gatewayを使う広告主は平均14%のコンバージョンリフトを得ている」と社内データを明記している。次にMeridian GeoX。地理単位の増分効果を測定するオープンソースベースの機能で、年内にテスト開始。最後にMeridian Studio——Google Cloud上に構築されたエンタープライズ向けMMMプラットフォームだ。Adswerve、Brainlabs、Epsilon、fifty-five、Jellyfish、Merkle等のパートナー網も公表された。

これらは広告効果計測の主軸を、ピクセル+GA4の決定論的計測から、MMM+ジオ実験のML推論軸へ移す動きだ。サードパーティCookieの段階的縮小と歩調を合わせた長期の布石である。

事前発表3:Agent Payments Protocol(AP2)のFIDO Alliance寄贈

4月28日、GoogleはAgent Payments Protocol(AP2)をFIDO Allianceに寄贈した。「AIエージェントが消費者に代わって支払いを実行する」ためのオープンプロトコルで、GMLの「エージェンティック・コマース」メッセージの土台になる可能性が高い。本誌が報じたTikTok World '26のMCPサーバー解禁AnthropicのClaude for Small Business(7ツール連携)と地続きで、「エージェントが買い物する」インフラの整備競争が同時進行している。

明日のキーノートで「残っている」発表は何か

ここから先は本誌の推測になる。事前発表で計測・検索広告自動化・エージェント決済の3つの土台が公開された以上、本番キーノートで残りそうな新規領域は3つだ。

第一にYouTube広告。Google自身が「new era of performance on YouTube」と予告しており、CTVでのShoppable広告と「Buy with Google Pay」連携、Demand Genキャンペーン強化、YouTube Shorts広告と検索の連動などが俎上に上がる可能性がある。第二にGoogle Ads内のGeminiエージェント——キャンペーン作成・診断・最適化を対話で実行するインターフェース。第三にAI OverviewsとAI Modeへの広告統合。本誌が報じたAI ModeのリンクUI強化の延長として、広告フォーマットが提示される可能性が高い。

日本の広告運用者が明日までにやっておくべき3点

第一に、自社のDSA・ACA運用状況の棚卸し。9月の強制移行までは約4ヶ月。AI Maxへの移行は構造変化を伴うため、現キャンペーンのKPI基準値を今のうちに記録する必要がある。第二に、Meridian/MMMへの体制準備。日本企業の多くは「最後のCV」の決定論的計測に最適化されている。Meridian StudioやGeoXの提案が来たとき評価できる人材・組織が社内にあるかを点検したい。第三に、5月21日(水)日本時間早朝の動向ウォッチ。本番キーノートは0:45開始、約90分。直後のGoogle Ads & Commerce blogで正式発表が連続するため、午前中の業務開始までに目を通しておきたい。本誌でも明日以降、本番発表の詳細を順次公開する。

関連記事

広告

P-MAXに「チャネル優先度スライダー」が現れた——可視化から16か月、Googleが返そうとしているのは制御ではなく重み付けである

Google広告のP-MAXで、Search・YouTube・ディスプレイ・Discover・Gmail・マップごとに優先度を上下できる設定がアルファテストで確認された。正の調整は、そのチャネルで許容するCPAを緩める挙動だという。2025年4月のチャネル別レポート提供から16か月。ただしこれは面をオフにする機能ではない。配置除外を撤廃するMetaと、既定オンで走らせるMicrosoftを並べると、自動化広告の潮目が見えてくる。

広告

Microsoftも「AI Max」を名乗った——ただし新規キャンペーンは既定オン、そしてDSAは畳まない

8月27日、Microsoft広告がAI Maxを全アカウントへ一般提供した。名称も3機能構成もGoogleのAI Maxとほぼ同じだが、決定的に違う点が2つある。新規検索キャンペーンでは既定でオンになること、そしてGoogleが畳むDSAをMicrosoftは残すこと。公式が掲げる「コンバージョン+13.6%」も、脚注まで読むと像が変わる。両プラットフォームを並走させる運用者の判断材料を整理する。

広告

ChatGPT広告の入口は、半年で5万ドルから1日7.6ドルになった——日本はすでに配信国、それでも自己出稿はまだできない

8月27日、OpenAIがインドのChatGPT無料版・Goプランで広告配信を開始した。翌月には1日最低予算約7.6ドルの広告マネージャーが立ち上がる。米国で今春に始まった同じツールの最低出稿額は5万ドルだった。日本は欧州31市場より前の波ですでに配信対象だが、買えるのは代理店経由のみ。参入障壁が崩れる速度を時系列で追い、自己出稿が解禁される前に日本の広告主が決めておくべきことを整理する。