Googleは9月24日(米太平洋時間9:15)、「2026年9月スパムアップデート」のロールアウトを開始した。全言語・全地域が対象で、Google検索ステータスダッシュボードには「完了まで最大2週間かかる可能性がある」と記載されている。Search Engine Roundtableによれば、今年4回目のスパムアップデートであり、3月・6月・8月の各回が1〜2日で完了したのに対し、今回は明確に長い。
「2週間」という数字が示すもの
まず事実として確認できるのは、期間の長さ以外に、Googleが対象を明かしていない点だ。Search Engine Journalも「特定の標的は非公開」と伝えている。ロールアウト期間が長い理由についても、Googleの説明はない。したがって「なぜ長いのか」は現時点では誰にも断定できない。
同じ週に公開された検出AI「SAFE」
ここで注目したいのが、同25日にSearch Engine Journalが報じたGoogleの研究論文だ。論文名は「The Synthetic Gap」。SAFE(Scaled Abuse Forensics Examiner)は、AIが大量生産する低品質コンテンツ(論文の言う"AI slop")の調査を自動化する仕組みで、論文PDFによると、統括役に加え、コンテンツ・行動・チャンネル群(アカウント間の関連)を担当する計4種のAIエージェントで構成される。文言上の違反だけでなく「ポリシーの趣旨」への違反を見つける設計だという。
ただし、論文は3ページと短く、定量的な性能データは示されていない。「初期の導入結果では調査時間が短縮された」との記述にとどまる。さらに、行動分析やアカウント間のネットワーク解析といった構成からは、動画などのプラットフォーム上の組織的な投稿を主に想定しているように読める。論文が検索ランキングへの適用を明言しているわけではない。
筆者の見立て:関連は「仮説」にすぎない
ここからは考察だ。スパムアップデートの長期化とSAFEの公開が同じ週に重なったのは事実だが、両者を結びつける根拠は公式には存在しない。偶然の可能性も十分にある。
それでも示唆はある。Googleの検出の焦点が「単発の違反ページ」から「量産の背後にある構造(同一運営の複数サイト、機械的な公開パターン)」に移りつつあるなら、1ページごとの品質を磨くだけでは足りなくなる。逆に、AIを使っていても、編集・検証・独自情報の裏付けがあるサイトは、構造的には"量産型"と区別されるはずだ。もっとも、この点はGoogle自身が保証しているわけではなく、慎重な見方も必要になる。
日本のSEO担当者が今週やること
日本語も対象に含まれるため、日本のサイトも無関係ではない。実務では次の3点を勧めたい。
- 変動の記録を日次で取る:Search Consoleで主要ディレクトリごとの表示回数・クリック数を毎日記録し、アップデート前後を比較できる状態にする
- ロールアウト中は大きな改修を避ける:完了前に順位変動の原因を断定し、サイト構造を動かすと、原因の切り分けが難しくなる
- 量産コンテンツの棚卸しを進める:低品質な自動生成ページ、外部から買った記事、実態のない関連サイトなど、ポリシー違反を疑われかねない資産を洗い出しておく
回復には数か月かかるとされる。だからこそ、順位が動いてから慌てるのではなく、ロールアウトが終わる10月上旬までの間に、自社の"量産の痕跡"を点検しておく価値がある。
出典
- Google September 2026 Spam Update(Search Engine Roundtable)
- Google Search Status Dashboard: September 2026 spam update
- SEO Pulse: Google Spam Update, Image Search Data In GSC(Search Engine Journal)
- Google Has Deployed A New AI Spam Detector Called SAFE(Search Engine Journal)
- The Synthetic Gap: SAFE(Google Research 論文PDF)