2週間かけて展開される「静かな」アップデート
Googleは2026年9月24日午前9時15分(PDT)、2026年に入って4度目となるスパムアップデートのロールアウトを開始した。Search Engine Landの報道によれば、今回のロールアウト予測期間は最大2週間。3月版が19時間30分、6月版が2日1時間、8月版が2日16時間で完了したのと比べると、明らかに長い。Googleは対象コンテンツについて「追加の詳細は提供しない」としている。
「GEOがSEOを逆転」は本当か
ほぼ同時期、Search Engine Journalが報じたFiverrの調査が話題になった。トップレートのフリーランサーのうち67%が過去1年でGEO(生成エンジン最適化)関連の依頼増加を報告し、Google順位改善の依頼増加を報告した56%を上回ったという。GEO関連サービスの市場規模は2025年11月から2026年4月の間に29%成長したともされる。
ただし同記事自身が指摘する通り、調査はサンプルサイズや調査期間、質問文の正確な文言といった基本的な方法論を公開しておらず、Fiverrへの追加照会にも記事執筆時点で回答がなかった。しかも同じ調査で61%が「長期投資としてはGoogle SEOが依然最強」と回答している点は見落とされがちだ。「GEOがSEOに取って代わる」という単純な図式で読むのは早計だと考えられる。
日本の現場が語る「不自然さ」への視線
Web担当者Forumの20周年連載で、SEO黎明期からの実務者である住太陽氏とアユダンテの江沢真紀氏が対談している。2024年からのAI Overviews展開、2025年のAI Mode拡大によりキーワード検索から対話型検索へのシフトが進み、「あるメディアでは2024年のコアアップデート後に流入が9割下がった」という具体的な事例が紹介されている。一方でGoogle自身は「特別な最適化は不要で、独自性のある価値あるコンテンツが重要」との立場を崩していない。対談では体験談・意見・感想など独自性の高いコンテンツは流入減が小さい傾向にあること、そして「不自然なシグナルは時系列分析で検出され、評価されにくくなっている」ことが指摘された。
交差点で見えるもの
海外のGEO需要拡大と、日本の実務者が語る「不自然さの排除」は、根っこでつながっていると考えられる。AIによる大量生成コンテンツが検索エコシステムに流れ込む中、Googleのスパムアップデートのロールアウト期間が長期化しているのは、正常なコンテンツとAI生成スパムの判別がより複雑になっていることの裏返しではないか。GEO需要の増加も、AI検索での言及獲得という新しいゲームへの適応の表れであって、SEOという土台そのものを置き換えるものではなさそうだ。
マーケターが今すべきこと
2週間に及ぶロールアウト期間中の順位変動に一喜一憂しないこと。体験・意見ベースのオリジナルコンテンツへの投資配分を増やすこと。GEO関連の施策は、SEO予算を丸ごと付け替えるのではなく、検証的に一部予算で試すこと。そして何より、AIを使うにせよ「不自然なシグナル」を生まない編集プロセスを維持することが、今後さらに重要になる。