2026年10月17日(土)
広告

Googleが「Dynamic Search Ads」終了を正式宣告——AI Maxへの強制移行カウントダウン、日本の運用担当者が今すぐ準備すべきこと

Googleは4月15日にAI Max for Searchをベータ卒業させ、同時に動的検索広告(DSA)と自動作成アセット(ACA)の段階的廃止を正式発表した。9月以降は新規DSAキャンペーン作成が不可となり、既存キャンペーンも順次AI Maxへ自動移行される。ブランド除外設定までAI Max配下に統合されるなど、Googleは広告主に「自動化を受け入れるかコントロールを失うか」の選択を迫っている。

WebTech Journal 編集部

編集・執筆

|
|
4分で読める

Googleは2026年4月15日、検索広告のAIキャンペーン形式「AI Max for Search」を正式にベータ卒業させたと発表した。あわせて、長年運用型広告の定番だった動的検索広告(DSA)、自動作成アセット(ACA)、キャンペーンレベルの部分一致設定を段階的に廃止し、AI Maxに一本化する方針を明らかにしている。

9月までに「DSA時代」は終わる

Googleが提示している移行スケジュールはシンプルだが容赦ない。4月からはAI Max移行支援ツールが順次提供され、9月以降はGoogle Ads UI/Ads Editor/Ads APIのいずれからも新規DSAキャンペーンを作成できなくなる。既存のDSA、ACA、キャンペーン単位の部分一致設定を使うキャンペーンは順次AI Maxへ自動アップグレードされる。

Googleの公式ブログによれば、AI Maxの全機能(検索語句マッチング、テキストカスタマイズ、最終URL拡張)を有効化したキャンペーンは、検索語句マッチング単体に比べてコンバージョン数またはコンバージョン値が平均7%増加したという。一見魅力的だが、この数字は「Googleが選んだ条件下で、Googleが提示する数値」である点を忘れてはならない。Digidayの取材でも、海外マーケターの間では「ブラックボックスの度合いがさらに増した」「広告主側のコントロール余地が減る」という懸念の声が並ぶ。

「ブランド除外設定」までAI Maxに飲み込まれた

もっとも実務的な影響を残すのが、ブランド除外(Brand Exclusions)機能がAI Max配下に移管されたことだ。Search Engine Landが報じたように、新規キャンペーンで競合ブランド名を除外したい場合、まずAI Maxを有効化しなければ設定パネルにアクセスできない。つまり「ブランドの安全を守る基本機能」を使うために「自動化を受け入れる」ことが事実上の前提となる。

これは単なるUI変更ではない。広告主から見れば、検索語句のコントロール、テキスト、URL拡張、そしてブランドセーフティ設定までもがAI Maxという単一の自動化レイヤーの内側に押し込まれることを意味する。これらを個別にチューニングできた時代は、今年9月で終わる。

日本の運用担当者が今動くべき理由

日本のGoogle広告運用は、これまでDSAをロングテール対策の定番として位置づけてきた現場が多い。BtoBや在庫数の多いEC、不動産・求人・旅行などの動的データを抱える業界は、DSAの自動URL対応が運用効率を大きく支えていた。9月以降、これらは強制的にAI Max環境に移ることになる。

今やるべきは次の3点だ。

  1. DSAキャンペーンのパフォーマンスをベンチマーク化する——4月~8月のCPA/ROAS/検索語句インプレッションシェアを記録しておき、移行後の「Googleが言う7%改善」が自社では本当に成立するかを検証できる状態にする。
  2. 検索語句レポートをエクスポートして残す——AI Max環境ではレポーティングの粒度や指標名が変わる。過去のDSAで獲得していた語句を外部に保存し、移行後にネガティブキーワード設定で除外したい語句を即座に投入できるよう準備する。
  3. ブランド除外リストを今のうちに整備する——競合社名・商標・誤解を生むキーワードのリストを、AI Maxへの自動移行が走る前に作り上げる。9月以降は「除外設定すること自体が自動化への参加を意味する」構造になる。

運用型広告における「キーワードで戦う時代」は、Googleの内部では確実に終わりつつある。AI Maxはその総仕上げであり、移行は不可逆だ。日本のチームに残された時間は約4か月。手作業のチューニング資産を、最後の段階でナレッジとして外在化しておくことが、移行後に取り返しのつかない差を生む。

関連記事

広告

Metaが「3〜24時間の枠買い」を投入——運用型広告の旗手がリーチ予約型へ寄る意味と、数字を読む前の注意点

Metaは10月15日のブランドビルディング・サミットで、時間枠を予約するAds Super Burstなど4つのブランド広告施策を示した。Search Engine LandとSocial Media Todayの報道を突き合わせ、発表内容、提供状況の食い違い、数字がすべてMeta自社調査である点、日本の広告担当者が今のうちに確認すべきことを整理する。

広告

Google広告に「チャネル優先度」と予算配分の上限——GDNとSearchパートナーを“止めずに絞る”時代、2027年2月の仕様廃止までに見直すこと

Google広告が、検索・ショッピング・P-MAX・デマンドジェンで配信面ごとに優先度(高/低)と予算比率の上限を指定できる機能を発表した。2027年2月には、GDN有効の検索キャンペーンの現行の支出配分が廃止される。公式発表の事実と、その仕組みから読み取れる運用の変化を分けて整理し、日本の運用者が今のうちに棚卸しすべき設定を示す。

広告

Google広告は「目的選択」から「文章で相談」へ——AI Maxの新レポートと自然文キャンペーン作成テストが映す、運用者の役割の変化

Google広告でAI Max向けの「検索語句と広告の組み合わせ」レポートが一部アカウントで出現し、キャンペーン作成を自然文で始めるUIのテストも確認された。自動化の中身が見える一方、入口は「質問に答えるだけ」に近づく。この二つを重ねると見える、運用者の仕事の再定義を考察する。