2026年6月9日(火)
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Metaが"勝手にAIで広告を作り直す"問題、英Snag Tights騒動を機に全広告主向けに機能停止——4月24日のAI Business Assistant全面解禁が広告主に強いる「オプトアウト疲れ」

Metaが広告クリエイティブをAIで無断改変していた問題が4月21日Marketing Brewの報道で表面化した。英アパレルSnag Tightsはモデルの体型や質感がAI生成で歪められた広告が顧客から指摘されたと公表、広告予算の一部が同意なくAI生成テストに使われていたと明かした。Metaは批判を受けて当該機能を全広告主向けに停止。一方で同社は4月24日、AI Business Assistantを全広告主・全代理店に解禁した。「便利なAI自動化」と「同意なきクリエイティブ書き換え」が同じ管理画面で進む現実に、日本の広告主はどう向き合うべきか。

WebTech Journal 編集部

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「うちのモデル、なぜか痩せて見える」——顧客通報から発覚した自動改変

「ファンの方から、SnagのInstagram広告に出ているモデルが"見たことのない"細い体型で、写真の質感もどこかおかしい、と連絡が相次いだ」。英アパレルブランドSnag Tights創業者ブリー・リード氏のFacebook投稿が引き金となり、Metaの広告自動改変問題が4月21日のMarketing Brew報道で広く知られるところとなった。

Snagはプラスサイズ層を顧客に持ち、同社CEOは「我々は生成AIを一切クリエイティブに使わない方針で、撮影は実在のモデル・写真家・クリエイターに必ず対価を払って行う」と明言する企業だ。だが調べると、ブランドの広告予算の一部が、Metaが既存広告素材をソースに自動生成した"AIバリアント"のテスト配信に充当されていた。Glossyはこの構造を「実在しないモデルや実在しない商品状態が顧客の目に触れる以上、効果検証以前に"虚偽広告に近い"問題」と表現した。

リード氏は「設定可能なAI機能はすべてオプトアウトしてあったはずだ」と主張。Metaは当初Snagの広告アカウントだけ機能を停止したが、リード氏のSNS投稿が拡散したことを受けて、最終的には全広告主向けに当該AI生成機能を停止する異例の対応を取った。

「オプトアウトのチェックボックスは何枚あるのか」

Marketing Brewの取材に応じた他のエージェンシー幹部からも、無告知のAI改変や、意図しない予算がAIテストに自動充当される事例が相次いだ。共通する不満は「多数のAI機能が初期設定でオン(オプトイン)状態になっており、すべてを把握してオフにすることは現実的に難しい」という点だ。Snagは、自社で確認できた範囲は"全部チェックを外した"が、それでもなお自動改変が起きていたとしている。

本誌が4月24日に報じたMetaがグローバル広告収入でGoogleを初逆転(eMarketer予測)の背景にはAdvantage+とAI生成クリエイティブの拡大があった。今回の騒動はその裏面で、業績を支えるAI自動化機能が広告主の同意調達を省略しがちだという指摘が突きつけられた格好だ。

同じ4月、AI Business Assistantを全代理店に解禁

注目すべきは時期だ。Metaは騒動の3日後にあたる4月24日、AI Business Assistantを全広告主・全代理店向けに解禁した。米メディアMediaPostによると、解禁先は米国・EMEA・APAC・中南米までを含む主要市場で、日本を含むAPACで現地語サポートも提供される。Ads ManagerやMeta Business Suiteから直接呼び出せ、当面はキャンペーン最適化・アカウント診断・パフォーマンス分析が主機能だが、Metaは2026年中にキャンペーンの計画立案や生成までを担うように拡張すると公表している。

端的に言えば、Metaは「クリエイティブを勝手に改変する自動機能」については批判を受けて停止する一方で、「アシスタントが広告主と対話しながらキャンペーンを動かす自動機能」を全面解禁した。同じ"AIによる広告運用の自動化"が、片方では撤退、片方では拡張という二律背反の動きを取っている。

日本の広告主が今週やるべきチェック

日本の運用担当者がいま手当てしておきたいのは三点だ。第一に、Meta Ads Managerの「広告アカウント設定 → 広告のAI生成バリアント / Advantage+クリエイティブ拡張」相当の項目を一通り棚卸しし、現状の有効/無効を画面キャプチャで残すこと。設定画面は四半期単位で構成が変わる傾向があり、過去のオプトアウトが新メニューでは未反映になっている可能性がある。

第二に、ブランドガイドラインと整合する広告のみ配信する旨を社内で文書化し、月次のクリエイティブ目視確認をルーチンに組み込むこと。Snagの事例は"顧客からの通報"で発覚した。ファンに先に気づかれる前に、自社で発見する仕組みを持っておくべきだ。

第三に、AI Business Assistantの活用範囲を「分析・レポート・提案」に限定し、配信スイッチに直結する権限は当面与えない運用ルールを定めておくこと。Metaの拡張ロードマップに沿って、来年にはアシスタント発信のキャンペーン作成が当たり前になる。「アシスタントは下書きだけ、人間がレビューしてから配信する」という業務フローを今のうちに型として作っておきたい。

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