2026年6月4日(木)
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9月、Googleで「動的検索広告」が作れなくなる——AI Max強制移行で、運用者の仕事はどう変わるのか

Googleは2026年9月、動的検索広告(DSA)・自動作成アセット・キャンペーン単位の部分一致を「AI Max」へ自動アップグレードする。新規DSAの作成も停止される。AI Maxはフル機能でCPA/ROAS同水準のまま平均7%多くのコンバージョンを生むとされるが、ブランド毀損や検索語句の暴走リスクも伴う。本記事では、9月までに日本の運用者がやるべきテストと制御設計を解説する。

WebTech Journal 編集部

編集・執筆

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カレンダーに「9月」と書き込んでおいたほうがいい。Googleの検索広告は、その月を境に「手動で設定する時代」を正式に終える。

2026年4月15日、Googleは「動的検索広告をAI Maxへアップグレードする」と公式に告知した。2026年9月から、動的検索広告(DSA)・自動作成アセット(ACA)・キャンペーン単位の部分一致設定を使うキャンペーンは、自動的にAI Maxへ移行される。同時に、Google Ads・Editor・APIのいずれからも新規のDSAを作成できなくなる。移行は9月末までに完了する見込みだ。

AI Maxとは「DSAの次世代版」

AI Maxは、ベータを終えて正式版になった検索キャンペーン向けのAI機能群だ。広告主の入力(広告文・サイト内容)に、リアルタイムの意図シグナルを掛け合わせ、キーワードに縛られず未開拓のクエリを拾う。Googleによれば、検索語句マッチング・テキストカスタマイズ・最終URL拡張というフル機能を使った場合、検索語句マッチング単独に比べてCPA/ROASを同水準に保ったまま平均7%多いコンバージョン(またはコンバージョン値)が得られる(Google社内データ、2026年、非リテール広告主)。

DSAが「サイトの中身からヘッドラインと遷移先を自動生成する」道具だったのに対し、AI Maxはブランド・地域・テキストガイドラインといった制御を備える点が新しい。Googleはこれを「手動メンテナンスからスケーラブルなAI成長への戦略的転換」と位置づける。

「7%改善」の裏にある、運用者が直視すべきリスク

ここからは分析だ。プラットフォーム提供元が出す「平均7%改善」という数字は、あくまでフル機能を正しく使った場合の社内集計であり、すべての口座で再現される保証はない。むしろ実務で警戒すべきは逆側のリスクである。

最終URL拡張と検索語句マッチングは、広告主が意図しないクエリやランディングページに広告を広げうる。制御を理解しないまま9月の自動移行を迎えれば、ブランドと無関係な検索への露出や意図しない遷移先が増え、いつの間にかCPAが悪化する事故が起こりうる。だからこそGoogleは「自動移行を待たず、今すぐ任意アップグレードして制御に慣れよ」と異例の前倒しを推奨している。これは裏を返せば、準備なしの自動移行は危険だという同社自身の認識の表れだ。

この変化は「Googleだけ」の話ではない

視野を広げると、同じ潮流が業界全体で同時進行している。Metaは広告システムをAIアシスタント経由で操作できるAIコネクタ(MCPサーバー)を開放し、国内ではLINEヤフーが広告プラットフォームを統合してアルゴリズムを刷新した。各社がそろって「人が細かく設定する運用」から「AIに任せ、人は方向を制御する運用」へ舵を切っている。

日本の運用者が9月までにやるべき3つのこと

第一に、今すぐ一部キャンペーンでAI Maxを任意アップグレードし、A/Bテスト(ワンクリック実験)で自社口座の実数を取ること。「平均7%」を信じるのではなく、自分の数字で検証する。第二に、ブランド除外・地域・URL除外・テキストガイドラインの各制御を、本番移行前に触って理解しておくこと。第三に、レポートの見方を更新すること。検索語句マッチングが拾う新規クエリの中身を定期的に棚卸しし、ブランド毀損の芽を早期に摘む運用フローを組む。

9月は待ってくれない。手を動かす相手がAIに変わるいま、運用者の価値は「入稿の精度」から「AIをどう制御し、どこに連れて行くか」の設計力へと移っている。

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