2026年9月2日(水)
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9月下旬、Google広告から「言語」設定が消える——本当のリスクは検索キャンペーンではなく、AI Maxが勝手に作る多言語クリエイティブにある

Googleが検索キャンペーンとP-MAXの検索面から、キャンペーンレベルの言語ターゲティング設定を9月下旬に撤廃する。「ほとんどの広告主に影響はない」というのが公式見解だが、事前ラウンドテーブルでは規制業種の説明責任とAI Maxの自動生成クリエイティブという2つの未解決論点が浮上した。英語検索にフランス語広告が出る——Googleはそれを明確に肯定している。日本の広告主が今のうちに棚卸しすべき設定を整理する。

WebTech Journal 編集部

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「設定が消える」より重い、Googleの回答ひとつ

Google広告が、検索キャンペーンおよびAI Max for Searchからキャンペーンレベルの言語設定を9月下旬に撤廃する。P-MAXについても、Google検索面では同じ扱いになる(他チャネルでは従来通り言語設定が機能する)。Search Engine Journalの報道によれば、今後Googleは広告文とランディングページの言語、そしてユーザーが理解する言語に関する自社シグナルだけで配信可否を判断する。

Googleの説明は一貫して穏当だ。「今の挙動は変わらない」「キャンペーンの再構築は不要」。言語別にキャンペーンを分けている口座も、そのままでよいという。

だが、発表前の広告主ラウンドテーブルで出たある質疑が、この変更の性格をよく表している。ケベック州を狙うAI Maxキャンペーンで、アセット自動生成がフランス語のクリエイティブを作った場合、英語で検索したユーザーにそのフランス語広告が出ることはあるか——Googleは「あり得る」と明確に肯定した。

クリエイティブ生成が先に走り、そのあとで「このユーザーはその言語を理解するか」の判定が入る。クエリの言語と広告の言語は一致しなくてよい、という設計思想である。

日本の広告主にとっての実質的な影響範囲

日本語市場だけで完結している国内向けキャンペーンは、正直なところ影響は小さい。日本語のクリエイティブと日本語のLPがあれば、Googleのシグナルは自然に日本語話者へ寄る。

注意が要るのは以下のような口座だ。

  • インバウンド・訪日観光:日本語LPと英語LPを別キャンペーンで持ち、言語設定で切り分けているケース。設定が消えた後、Googleは「両方理解する」と判定したユーザーにどちらも配信し得る
  • 越境EC・海外展開:多言語LPを1アカウントに同居させている構成
  • AI Maxを有効化している口座:自動生成されたアセットの言語を、広告主が全量把握できていない場合。生成物の言語が配信の入口になる
  • Google Ads APIを叩いている運用:Googleは検索キャンペーンの作成・更新時に言語条件の送信をやめるよう推奨している。既存条件は残せるが、検索の配信には効かなくなる

未解決のまま残った「証明責任」の問題

ラウンドテーブルでは、保険など規制業種の広告主から鋭い指摘が出た。英語話者とスペイン語話者に対して広告が公平に配信されたことを、どう証明するのか。

Googleの回答は「両言語の広告を用意していること自体が意図の表明になる」というものだった。しかし質問はその先——実際にどの言語で配信されたかを事後に示せるのかを問うていた。そしてGoogleは、言語別の配信実績を見せる新しいレポートを発表していない。

つまり、言語という配信軸が「広告主が設定するもの」から「Googleが判断するもの」へ移り、かつその判断結果を検証する手段が用意されていない。日本でも金融商品取引法や薬機法の絡む業種、あるいは自治体・公共系の入札案件では、配信実績の説明可能性が問われる場面がある。ここは今のうちに社内の運用ルールを確認しておく価値がある。

「redundantだった」というGoogleの主張は検証できる

公平を期せば、Googleの言い分にも理はある。言語設定が広告文・LPの言語と食い違っているキャンペーンでは、設定のせいで本来届くはずのユーザーが除外されていた。設定は冗長どころか、しばしば有害だった——という説明は、実務感覚として理解できる。

この主張が正しいかどうかは、ロールアウト後の数字で検証できる。トラフィックの構成が大きく動かなければGoogleが正しかったことになるし、動けば設定は冗長ではなかったことになる。9月下旬の前後2週間で、検索語句レポートと地域別トラフィックのベースラインを取っておくこと。これが今週やるべき唯一の準備だ。

実務チェックリスト

  1. 言語設定を「言語判定」以外の目的(配信対象の絞り込み、コンプライアンス上の区分)で使っている口座を洗い出す
  2. 全キャンペーンで、広告文の言語とLPの言語が一致しているか確認する。ここが今後の唯一の制御レバーになる
  3. AI Max有効化中の口座は、自動生成アセットの言語を一覧で確認する
  4. APIで言語条件を送っている実装があれば、9月までに送信を停止する
  5. 9月中旬時点の検索語句・地域・デバイス構成をスナップショットとして保存する

言語設定の撤廃は、単体では小さなニュースだ。だが「広告主が手で持っていた軸が、また1本Googleに移った」という文脈に置くと意味が変わる。残されたレバーが広告文とLPだけになったのなら、その2つの精度が従来以上に効いてくる、という話でもある。

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