配信規模の見えない新媒体に、先にレポートの“受け皿”ができた。10月9日、プレイドの広告データ基盤「Databeat」がChatGPT広告に対応した。
日本のChatGPT広告は、6月から「テスト」の段階にある
Jiji Pressの報道(Adnkronos経由)によれば、OpenAIは6月19日に日本で広告のテストを始めた。広告は無料版と月額1,400円のGoプランに表示され、18歳未満には出ない。回答に関連した広告は別枠に出て、内容は回答に影響しないとされる。パートナーとして電通デジタルが挙がっている。
一方、日本での入稿方法、課金方式、単価は、確認できた範囲では公開情報が乏しい。米国ではAds Managerが広告主に開放され、キャンペーン・広告グループ・広告の3階層、ピクセルとConversions APIによる計測が整っていると報じられているが、同じ仕様が日本で使えるかは未確認だ。
Databeat連携の中身:取れるもの、取れないもの
MarkeZineの記事によると、取得できるのはキャンペーン単位・広告グループ単位・広告単位の3種類のパフォーマンスレポートで、データはBigQueryに日次で蓄積される。既存の40以上の対応媒体(Google広告、Yahoo!広告、Meta広告など)と同じ基盤で管理でき、既存ユーザーは管理画面でアカウントを登録すれば翌日以降の配信データが貯まる。未導入企業には2週間の無料トライアルがある。
一方で、媒体側の仕様上、次の3項目は取得できない。
- 都道府県別データ
- ショッピング(商品フィード)
- デバイス・プラットフォーム別の内訳
筆者の見方:「できないこと」が最初の運用設計を決める
ここからは考察だ。地域別が取れない間は、店舗型ビジネスやエリア施策の評価に使いにくい。商品フィード連携がなければ、ECの商品単位の運用は難しい。デバイス別が取れないと、スマホ中心の日本市場で、LPの表示崩れや入力負荷のようなモバイル固有の問題を切り分けられない。最初の使い道は、地域や商品を問わない指名・比較検討層向けの認知〜獲得テストに絞られるだろう。
また、データ連携の発表は、配信規模の拡大を意味しない。連携は事業者側の提供開始の知らせであり、媒体の成果を示す材料ではない。慎重な見方も成り立つ。増分効果をどう検証するかは、本誌が先に整理した検収プロセスの議論がそのまま当てはまる。
日本の運用者が今のうちにできる準備
- 3階層(キャンペーン/広告グループ/広告)の命名規則を、既存媒体と揃えて決めておく
- BigQuery上の統合テーブルで、ChatGPT広告をほかの媒体と同じ指標定義で比較できるようにする
- 代理店に、日本での提供条件(入稿方法、最低出稿額、計測手段)を確認する
- 少額のテスト予算と、成果を判定する基準(指名検索の増分など)を先に決める
新媒体では、最初の数か月で差がつくのは入札の巧拙よりも、計測の前提を先に固めたかどうかだ。配信規模が見えてから動くのでは、比較の土台が間に合わない可能性がある。