2026年5月13日(水)
SEO

Google AI Modeが日次7,500万人超に到達、5月新機能で「リンクの場所」が変わる——SEO担当者が来週の月曜から手を打つべき3つのこと

Google AI Modeのデイリーアクティブユーザーは2025年5月のローンチから9か月で4倍の7,500万人超に拡大し、AI回答内に広告が表示される割合は前年比394%増の25.5%に達した。5月、Googleは「リンクをテキストの真横に置く」「次に行く先を提案する」「購読中メディアをハイライトする」など5つの新機能を投入。本稿ではゼロクリック率93%という現実を直視しつつ、AI回答内で引用されるサイトの共通点と、SEO担当者が今週から着手すべき具体策を整理する。

WebTech Journal 編集部

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「SEOは死んだ」は今年に入ってから何度目の見出しだろうか。だが本誌が継続的に追ってきた数字を並べると、議論の前提が変わってきていることが見えてくる。

数字が語る転換点

Google AI Modeの日次アクティブユーザーは、2025年5月のローンチから9か月で約4倍となる7,500万人超に到達した。月次では1億人を突破し、月間クエリは10億件を超える。

そしてもう一つ、看過できない数字がある。AI Modeでの検索の93%が外部サイトへのクリックなしで完結している。AI回答内に広告が出る割合は25.5%まで上昇し、前年比で394%増。Googleはこの新しい検索体験を確実にマネタイズし始めている。

国内に目を向けると、Hakuhodo DY ONEの「AI検索白書2026」が、ビジネス利用者のAI検索利用率は2025年3月の9.4%から11月の29.9%へと約3倍に伸びたと報告している。AI検索は「テック先進層の遊び」ではなく、業務インフラへと変わりつつある。

5月の新機能で「リンクの場所」が変わる

そんな中、Googleは5月初旬、AI ModeとAI Overviewsに対して5つの変更を順次投入し始めた。

第一に、引用リンクが生成テキストのすぐ横に置かれる。これまで回答末尾にまとめて並んでいたリンクが、本文中の該当箇所に分散される。クリックされる文脈と関連性が高いサイトほどクリック率が改善する一方、出典の引用順位だけを稼いでいたサイトはクリックを失う構造になる。

第二に、回答末尾に次に深掘りすべき切り口の提案が表示される。Googleは「AI回答を会話の終点ではなく出発点にする」と説明している。これは「ゼロクリック化が行きすぎた」という外部からの批判に応える設計でもある。

第三に、ニュース購読契約のあるメディアの記事が優先表示される。Googleアカウントに紐づく購読情報を活用し、有料メディアへのトラフィック導線を確保する仕組みだ。

第四に、ソーシャル投稿やフォーラム投稿の出典表示が充実する。Reddit、X、専門コミュニティの投稿が引用ソースとして可視化される。

第五に、デスクトップでインラインリンクのホバープレビューが表示される。クリック前にプレビューが見られることで、クリック判断の精度が変わる可能性がある。

「ゼロクリック93%」の実相は二極化

ここで、安易な「SEO終焉論」とも、楽観的な「品質さえ高ければ大丈夫論」とも違う見方を提示したい。Search Engine Journalは「AI ModeはSEOを殺すのではなく、弱いSEOをあぶり出している」と指摘している。

B2B SaaS50キーワードの追跡データでは、AI回答が画面上部に表示されるとトップ3ページのCTRは18〜34%下落する一方、表示・順位は維持される。インプレッションは残り、クリックだけが消える。これは「指名検索や深い検討段階の検索」と「単純な情報取得検索」で挙動が真っ二つに分かれることを意味する。

後者は壊滅する。「○○とは」「やり方」「比較ランキング」といった一般情報クエリは、AI回答内で完結し外部サイトに来ない。一方、前者の意思決定直前のクエリでは、AI回答内の引用がブランド露出として機能し、認知された企業へ直接訪問が増えるという新しい行動パターンが生まれている。

月曜から始める3つの行動

この構造変化を踏まえ、SEO担当者が短期で着手すべき具体策を3つ示したい。

  1. 自社サイトの「AI回答での引用率」をベースライン計測する 主要キーワード20〜30個でAI ModeとAI Overviewsの回答を実際に取得し、自社サイトが引用されている率と引用文脈を記録する。Search ConsoleのデータだけではAI回答での見え方は把握できない。手動の定点観測で構わないので、月次で変化を追える状態を作る。

  2. 「引用されやすい構造」へのコンテンツ書き換えを始める AI Modeが好むのは、定義・数値・出典が一段落の中に明示された構造化された記述だ。冗長な前置き、結論の遅い文章、ソース表記のない数値はAIに引用されにくい。既存の主力ページから順に、「定義 → 根拠数値 → 出典 → 含意」の流れに書き直していく。

  3. 「指名・比較・意思決定」段階のクエリへ予算を寄せる 一般情報クエリへの投資は減衰局面に入る。逆に、「製品名 + 機能名」「製品名 vs 製品名」「導入事例 + 業種」といった意思決定直前クエリへの投資は、AI回答内の引用と直接訪問の両方で効いてくる。コンテンツ制作の優先順位を組み替える時期に来ている。

Google自身が「AI回答を出発点に」と言い始めたいま、サイト側もまた、「検索からの一発訪問」だけに依存しない設計へと前提を更新するときだ。

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