Googleが同じ日に、サイト運営者向けの公式ガイダンス2か所を更新した。生成AIコンテンツの扱いと、著者プロフィールの扱いである。Search Engine Journalの報道によれば、いずれも新ルールというより、品質評価の考え方を運営者向け文書に明文化した更新だ。
更新その1:AI生成物は「公開前に人間が検証」
生成AIコンテンツに関するGoogle公式ガイダンスは、生成AIの出力に不正確さ(ハルシネーション)が含まれうると述べ、公開前にAI生成コンテンツを手動で確認することを求めている。確認の対象は本文だけではない。titleタグ、メタディスクリプション、構造化データ、画像のaltまで含まれる。これらは検索結果に表示されうるためだ。
同文書は、付加価値のないまま大量ページを生成する使い方が、スケールされたコンテンツの不正使用に関するスパムポリシーに違反しうるとの警告も維持している。AIの利用自体は禁じておらず、研究や構成づくりの補助としては認めている。
更新その2:偽の著者プロフィールは「欺瞞」
有用なコンテンツに関するガイダンスの「Who(誰が作ったか)」の項には、AI生成の顔写真、架空の名前、偽の資格で人間の専門家が書いたように見せる行為を、欺瞞の一形態とする趣旨の記述がある。SEJによれば、同様の基準は品質評価者向けガイドラインにすでにあったが、運営者向けのSearch Central文書に明記されたのは今回が初めてだという。
交差分析:検索の品質シグナルが「サイト全体の誠実さ」へ向かう
本誌は先日、スパムアップデートとAI検出『SAFE』の同週公開を取り上げた。今回の2つの更新をそこに重ねると、筆者は次の構図が見えると考える。
- 検出側は、AIによるスパム判定を強化している
- 運営者向け文書側は、「何をしてはいけないか」を先に言語化している
この二つが並走するとき、グレーゾーンに留まる余地は小さくなる。ガイダンスに書かれた行為は、後から「警告したのに」と判断されやすいからだ。ただしこれは筆者の推測であり、Googleがこの2つの更新を新たな執行強化と結び付けたとは述べていない。
反対に、冷静な見方もある。今回の文言はもともと評価者向け基準にあった内容で、実務上の評価基準が急に変わったとは言えない。慌ててサイトを作り替える必要はなく、見直すべきは運用の足元だ。
運営者が今週点検する4点
- AI下書きの公開フローに人間の検証工程を置く。 事実、数値、固有名詞の確認者を決める
- メタ情報も検証対象に入れる。 AIでtitleやalt、構造化データを一括生成している場合、誤りがないか抜き取りで確認する
- 著者ページを棚卸しする。 実在しない人物、生成画像の顔写真、裏付けのない肩書がないか確認する
- 著者情報は"実在の裏付け"で示す。 外部プロフィールや登壇歴など、第三者が確認できる情報へつなぐ
日本の企業サイトでも、AIで量産した記事に架空の「専門家監修」を載せる例は珍しくない。評価基準が文書として明文化された今、そうした運用は見直す好機だと考えられる。