12日間の「乱高下」がようやく収束した
Googleの「2026年5月コアアップデート」が、6月2日に展開を完了した。Search Engine Landによると、ロールアウトは5月21日に始まり、約12日間(11日と21時間)をかけて全世界の検索結果に反映された。順位変動を追うSemrushなどの計測ツールでは、5月23日と5月30日の週末、そして完了直前の6月2日にボラティリティのピークが観測されている。
今回の特徴は「派手さ」だ。SEOコンサルタントのGlenn Gabe氏は、影響が「業種・国を問わず広範囲に及んだ」とし、3月のコアアップデートと対比して「3月はパッとしなかったが、5月は大きい。典型的なコアアップデートらしい動きだ」と評している(Search Engine Journal)。Googleは今回も「新しいランキングシステムの導入はない」とし、従来どおり「人間第一の有用なコンテンツ」を作るよう促すにとどめている。
順位が動いても、6月9日までは動くな
最も実務的に重要なのは、Googleが「クリーンな比較ができるのは6月9日以降」と明言している点だ。ロールアウト期間中はデータが乱れるため、Search Consoleで前後比較するなら、完了翌週まで待つべきだという。さらにGoogleは、1日単位の順位の上下ではなく、ページ・クエリ・国・デバイス・検索種別といった複数の軸でパターンを読むよう求めている。
ここで筆者が強調したいのは、「下がったからすぐ直す」が最悪手になりやすいことだ。展開途中の数字は最終状態を反映していない。慌てて大幅なリライトやサイト構造の変更に手をつければ、本来の影響を切り分けられなくなり、次のアップデートでの検証も不可能になる。複数の専門家が「変更を加える前に待て」と口を揃えるのは、このためだ。
AI検索の逆風と重なる「二重苦」を直視する
見落とせないのは、このコアアップデートがAI検索による地殻変動と同時に進行していることだ。本誌が報じたように、AI Overviewsによって「クリックされない検索」が常態化しつつある。つまり、コアアップデートで順位を維持できたとしても、その順位がもたらすクリックそのものが目減りしている可能性がある。順位の回復だけを追うと、トラフィックの実態を見誤る。
だからこそ、今回の評価では「掲載順位」と「実クリック・実コンバージョン」を分けて見る必要がある。順位は維持できているのにクリックが減っているなら、それはアップデートによる降格ではなくAI検索の影響だ。両者を混同したまま施策を打てば、効くはずの手当てを誤る。
マーケターが今週やるべきこと
第一に、6月9日以降にSearch Consoleで「コアアップデート前(5月中旬)」と「完了後(6月上旬)」を比較し、セグメント別に勝ち負けを洗い出す。第二に、下落したページについては、検索意図を満たしているか・一次情報や独自性があるかを冷静に点検する。広範な改変は、影響が確定するまで保留する。第三に、順位とクリックを分離して計測し、AI検索による減少分を別管理する。
コアアップデートは「ペナルティ」ではなく「再評価」だ。慌てて動くより、9日以降のクリーンなデータで現実を直視することが、結果的に回復への最短距離になる。