Googleは10月15日、AIモードとAI Overviewsにおけるリンクの見せ方を変えると発表した。Google公式ブログが挙げた変更は5つ。ただしすべてが展開済みではない。「展開中」と「テスト中」を分けて読まないと、対策を誤る。
5つの変更を「ステータス別」に整理する
公式ブログの記述をもとに整理すると、次のようになる。
- 展開中:回答内のインラインリンク(出典リンク)を、より上位に表示する更新。ニュースのカルーセルを、対象地域・言語を広げて展開し、ユーザーが設定した「優先ソース」も目立たせる
- テスト中:公式サイトへのリンクを回答上部に1〜2件、利用理由の一言とともに出す新表示。AIモードの動画結果で、クリエイター名・パブリッシャー名をクリックできるようにする試験
- 時期は明記なし:回答末尾の関連記事リンクにサムネイルを付け、クリックしやすいデザインにする変更
なお、Search Engine Landなどの報道を整理した解説でも、公式発表は対象国や完了時期を示していないと指摘されている。日本でいつ、どの形式が出るかは、現時点では確認できていない。
「クリック」は増えるのか——データはまだない
BetaNewsの記事が指摘するように、Googleはインラインリンクが「はるかに一般的になった」と述べるものの、クリック数などの計測値は示していない。Search Consoleの生成AI関連レポートは6月に始まったがインプレッションが中心で、クリック数は載っていない。背景には、ChartbeatによるGoogleからニュースサイトへの流入が2025年7月から2026年7月で約40%減ったという報告がある。リンクを増やす発表は、この批判への応答という側面があると考えられる。
筆者の見立て:見えるのは「優先ソース」と「公式」を持つサイト
ここからは考察である。
- 「優先ソース」は新しい固定客の入口になる。ユーザーが自分で選ぶ仕組みなので、順位ではなく指名的な支持が効く。ニュース・情報系は、メルマガやアプリ通知と並んで「優先ソースに登録してください」という誘導を設計する価値がある
- 公式サイト枠は、サービス名・商品名で検索される企業に有利。タスク型の質問(予約、申請、購入など)で上部に出る可能性があるため、公式ページの構造化データやタイトルの明瞭さが効くと考えられる。ただしテスト段階で、効果は未知数だ
- クリエイター名リンクの遷移先は、サイトではなく検索のプロフィールページ。つまりサイトへの流入ではなく、Googleの中での露出になる。これを流入と数えると、レポートの数字を見誤る
一方で、リンクが増えても、AIの回答自体で満足するユーザーが多ければクリックは増えない、という慎重な見方もある。本誌が報じたSemrushの調査のように、AI Overviewsの出現自体が広がっているためだ。
実務で今やること
- Search Consoleの生成AIレポートで、自社ページのインプレッションがあるか確認する
- GA4で、検索経由流入を「通常検索」と「AI関連」に分けて計測できる状態にする
- 優先ソース登録への導線をサイトに置き、効果をUTM付きで測る
- 日本語環境での展開が確認できるまで、過度な設計変更はせず、公式ページの情報整備を優先する
流入のルールが変わる局面では、「確認できた事実」と「仮説」を分けて動くことが、最も安い保険になる。