「review」を含む検索でAI Overviewsが表示される割合は、1年前の30.14%から約9割へ。Semrushが10月21日に公開した調査は、比較・口コミ・価格といった購入直前のクエリが、すでに「AIの要約が先に出る場所」になったことを数字で示した。
購入直前のクエリほど、AIの要約が先に出る
Semrushは銀行・ソフトウェア・ECの3業界で計400キーワードを固定し、2025年9月から2026年8月まで毎月、AI Overviewsの表示有無を追跡した(米国デスクトップ)。Semrushの調査によると、キーワード単位の表示率は45.75%から88%へ上昇。検索ボリューム加重では97.08%に達し、表示されなかった12%のキーワードは総検索量の3%未満だった。
修飾語別では、「reviews」が30.14%から約90%(+59ポイント)と最大の伸びを示した。「Best X for Y」は96.12%で最も高く、「Alternatives」は82%超(+34ポイント)、「brand vs brand」は86%超(+23.18ポイント)。業界別ではECが32.62%から85.11%へ跳ね上がり、3業界とも85〜91%に収れんした。
この数字をどこまで信じてよいか
注意点は3つある。第一に、対象は米国デスクトップの固定400語で、日本の検索や全検索を代表するものではない。第二に、測っているのは表示の有無であり、クリックの増減ではない。第三に、Semrush自身がAI可視性の計測ツールを販売している。PPC Landは、修飾語×業界の各セルが27語未満と推計している。
他の調査との差も大きい。Search Engine Journalが報じたPeec AIの調査では、購買意図の高い約50万プロンプトで表示率は約87%だった一方、同記事が挙げるAhrefsは20.5%、AuthoritasとSE Rankingは約30%とされる。差の主因は測定対象の違いだ。つまり「88%」は、商用意図のキーワードを固定した場合の値と読むのが妥当だろう。
考察:争点は「順位」から「AIが引用する材料」へ
Semrushが示した「mailchimp vs klaviyo」の例では、Klaviyo自社のガイド、第三者サイトのZapier、YouTube動画などが一つの要約に束ねられていた。自社の比較ページは、答えの材料の一つにすぎない。筆者はここに構造変化を見る。比較検討の結論を左右するのは、自社サイトだけでなく、第三者レビュー、動画、コミュニティ上の言及になっていく可能性が高い。
一方で、表示が増えてもクリックが同じだけ減る保証はない。本誌が既報のChatGPT流入はGoogleの0.62%という調査が示すとおり、送客の主役は依然としてGoogleだ。AI Overviewsの拡大は「Googleからの流入が減る話」であると同時に、「Google上で何と説明されるかが商談の前提になる話」でもある。リンク増加の動きはGoogleの発表を扱った記事も参照してほしい。
日本の実務者が今週やること
日本で同水準かは未検証である。だからこそ自社で測る価値がある。
- 自社の商用キーワード50〜100語を「比較」「口コミ」「おすすめ」「価格」で分類し、AI Overviewsの有無を目視で棚卸しする
- 表示される場合、引用元ドメイン(自社、比較サイト、YouTube、口コミサイト)を記録する
- 比較ページ・価格ページの数値と更新日を見直す。古い情報は、要約が誤って説明する余地になる
- Search Consoleで、順位が変わらないのにクリック率だけ下がっているクエリを洗い出す
順位レポートだけを見ていると、この変化は見えない。