Googleが、生成AIで作ったコンテンツの扱いについて公式ドキュメントの文言を強めた。AIを使うこと自体の是非ではなく、公開前に人が検証したかという運用の責任が前面に出てきている。
何が追加されたのか
Search Engine Landの報道によると、GoogleはSearch Centralの生成AIコンテンツに関するガイダンスに、次の趣旨の記述を加えた。
- 生成モデルは事実を検索して返すのではなく、学習データに基づき「ありそうな単語の並び」を予測している
- 生成AIの出力には、いわゆるハルシネーション(もっともらしい誤り)が含まれうる
- AI生成コンテンツは、公開前に正確性と信頼性を手作業で事実確認しレビューすることが「critical(極めて重要)」である
Googleは今回の更新を、開発者イベントでの説明内容とドキュメントを揃えるためのものと説明している。つまり新ルールの発表というより、現場で話してきたことを正式文書に固めたという位置づけだ。
同じ週に動いているスパムアップデート
タイミングも見逃せない。Search Engine Roundtableによれば、2026年9月のスパムアップデートは9月24日(米東部時間の正午ごろ)に開始され、全言語・全地域が対象で、完了まで最大2週間かかる。今年4回目のスパムアップデートで、8月の更新が2日程度だったのに比べて長い。本誌が先日整理したスパムアップデートの「最大2週間」の意味とあわせて読むと、位置関係がわかりやすい。
ここからは筆者の考察になる。ガイダンスの文言変更とスパムアップデートの同時進行は、因果関係が公表されているわけではない。ただ、Googleが問題視する「手間・独自性・付加価値がほとんどないコンテンツの大量生産」(スケールドコンテンツ・アビュース)と、「AI出力を検証せずに公開する運用」は、実態として重なる部分が大きい。AIを使っているかどうかより、検証工程が存在するかどうかが、サイト運営者の守備範囲を分けるようになるだろう。
「検証した」と言える状態をどう作るか
一方で、人が目を通せば評価が上がるという保証はない。Googleは検証済みであることをランキング要因として示してはおらず、あくまで公開者の責任として求めている点には注意したい。そのうえで、実務では次のような最低限の仕組みが現実的だ。
- 一次ソースへの突き合わせ: 数値・日付・固有名詞は、AIが出した文面ではなく元資料で確認する。確認できない記述は削る
- 付加価値の明示: 自社データ、現場の事例、担当者の見解など、AIが再現できない要素を各ページに最低1つ入れる
- 公開フローの記録: 誰が・いつ・何を確認したかをCMS上で残す。サイト全体の品質を説明する材料になる
- 量より更新単位の絞り込み: 検証できる本数を超えて公開しない。プログラマティックSEOの拡大は特に慎重に
日本のサイト運営者への示唆
日本語サイトでも、AIで下書きを大量に作るワークフローは広がっている。今回のガイダンスは英語圏の文書だが、スパムアップデートは全言語が対象であり、日本語サイトだけが例外になる理由はない。ただし、日本語での影響度合いは更新完了後のデータを見ないと断定できない。
今週やるべきことは大きく二つだ。まず、Search Consoleで9月24日以降の表示回数とクリック数の推移を、AI活用の度合いが高いディレクトリ別に確認すること。次に、AI下書きを使っている記事について、上記の検証フローが実際に回っているかを棚卸しすること。更新期間中は順位が大きく揺れるため、結論を急がず、完了後に差分を評価するのが妥当だ。