2026年9月2日(水)
SEO

Googleが検索ボックスの下に「画像を作る」ボタンを置いた——25年間ほぼ無風だった検索の入口が動き、SEOの前提が「検索されること」から「その動線に乗ること」へ移る

Googleがトップページの検索ボックス下に「画像を作る」「ファイルについて聞く」「ブレインストーム」の3ボタンを表示する限定テストを実施していることを認めた。押すとAI Modeに遷移する。7月にはGoogle画像検索のホーム刷新とAI Overviewsへの画像生成追加も発表済みだ。個別に見れば小さな変更だが、並べると「検索の入口をAIへ移す」という一貫した設計意図が見える。SEO担当者が今から考えるべき前提の変化を整理する。

WebTech Journal 編集部

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Googleのトップページは、この25年ほとんど変わっていない。ロゴ、検索ボックス、そして誰も押さない「I'm Feeling Lucky」。その画面が、いま動き始めている。

Search Engine Landの報道によれば、Googleは検索ボックスの下に「create images(画像を作る)」「ask about files(ファイルについて聞く)」「brainstorm(ブレインストーム)」という3つのボタンを表示するテストを実施しており、同社もこれを認めた。ボタンを押すとAI Modeに遷移する。

Googleのプロダクト担当VP、Robby Stein氏はX上で、これがデスクトップ向けの小規模テストであり、通常の検索ボックスの挙動には影響しないと述べている。実際、これらの機能自体は以前から検索ボックス左の「+」の中に存在していた。今回のテストは、隠れていた入口を表に出したものだ。

「発見されていない」という課題

この動きの動機は、Googleの説明そのままに読める。ユーザーが検索でできる新しいことを知らない、という課題だ。

AI Modeの利用は伸びている一方で、その多くは検索結果ページ上のタブやAI Overviewsからの遷移であり、「最初からAIに聞きに行く」という行動ではない。ChatGPTのように、開いた瞬間から対話が前提のインターフェースとは入口の設計が違う。今回のボタンは、その差を埋めにいく実験と見るのが自然だろう。

記事を書いたBarry Schwartz氏自身が「20年間I'm Feeling Luckyを無視してきた自分は、この新しいボタンも無視するよう条件づけられているかもしれない」と書いている点は示唆的だ。トップページに要素を足しても、習慣化されたユーザー行動は簡単には動かない。これが正式展開されるかどうかは未知数である。

単発では小さいが、並べると方向が見える

重要なのは、この一件を単独で評価しないことだ。直近1カ月のGoogleの動きを並べてみる。

7月14日、Googleは画像検索25周年に合わせ、AI Overviewsへの画像生成機能追加とGoogle画像検索ホームの刷新を発表した。AI Overviews内でテキストプロンプトからNano Bananaモデルで画像を生成できるようにし、画像検索のホームは検索前から閲覧できるパーソナライズされたギャラリーに変わる。いずれも米国・英語圏から段階的な展開だ。

8月10日、トップページのAI機能ボタンのテストが確認される。

この二つに共通するのは、「クエリを入力する前」の画面に手を入れているという点だ。画像検索のホームは、検索する前に見るフィードになる。トップページのボタンは、検索する前に押す選択肢になる。従来のSEOが最適化してきたのは「クエリが入力された後」の勝負であり、その手前の画面は長らく空白地帯だった。

Search Engine Journalが指摘する通り、AI Overviewsに画像生成が入るということは、これまでウェブ上の画像へ人を送っていた面が、自前で画像を作れるようになるということでもある。ウェブ上に適切な画像が見つからなければその場で生成する、という設計だ。画像を流入源にしてきたサイトにとっては、無視できない構造変化になりうる。

反論として——まだテストであり、日本でもない

ここまでの整理には慎重な但し書きが要る。トップページのボタンは限定テストであり、Google自身が正式展開を約束していない。画像検索ホームの刷新も米国デスクトップ・英語から。AI Overviewsの画像生成も、AI Modeで画像生成が使える地域からの段階展開だ。日本の検索結果が明日変わるわけではない。

また、Googleが過去に発表した検索UIの実験には、静かに消えたものも少なくない。「AI Modeへの動線強化」というトレンドは確かだが、この特定のボタンが定着する保証はない。

それでも、日本のSEO担当者がこれを他人事にできない理由がある。日本語圏へのAI機能展開は、英語圏に遅れて来るのが常だからだ。米国での実験は、日本の半年後〜1年後を見るための最も安価な観測装置になる。

SEO担当者が今日から変えられる前提

第一に、評価指標を「クエリ」から「経路」へ広げる。従来のSEOは、どのクエリで何位か、を軸に組み立てられてきた。だが入口が対話やフィードになるほど、キーワード単位の順位は行動の一部しか説明しなくなる。本誌が報じたSearch Consoleに現れる「yes」「yes go on」といったAI Modeの追い質問クエリは、その兆候そのものだ。

第二に、画像資産の役割を見直す。画像がAI Overviews内で生成されうるなら、「検索されて見つかる画像」の価値は相対的に下がる。逆に価値が上がるのは、生成では代替できない画像——実物の商品写真、現場の撮影、独自の図解、データに基づくグラフだ。ストックフォト的な画像に依存したコンテンツは、この変化に最も弱い。

第三に、「検索される前」の接点を持つ。トップページのボタンにせよ画像検索のフィードにせよ、ユーザーがクエリを打つ前に何かを提示する方向へGoogleは動いている。その面で選ばれるのはブランド想起のある存在だ。指名検索を増やす施策、SNSやコミュニティでの露出、メール接点——これまで「SEOの外側」とされてきた活動が、SEOの前提条件になりつつある。

25年変わらなかった画面が動くとき、変わるのは画面だけではない。

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