2026年9月20日(日)
SEO

Googleが「サイト単位で信頼を失う」と言った——生成コストが消えた時代に、量産ページが残す“消しても消えない負債”

9月7日、John Muellerがプログラマティックな量産ページについて、Googleのシステムが古いページを根拠に「サイト」への信頼を失っている可能性がある、と述べた。主語がページではなくサイトである点が要点だ。回復にはコアアップデートからの復帰と同程度の時間と労力がかかるという。同じ週にSearch Consoleのインデックスレポートから6月分が欠落しており、検証したい時期に計測面が揺れている。棚卸しの手順を4段階で示す。

WebTech Journal 編集部

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9月7日、GoogleのJohn MuellerがBlueskyで、プログラマティックSEOについて踏み込んだ言い方をした。ドメイン名・技術・属性のリストを総当たりで組み合わせてページを量産する手法について、彼はそれが「スパム、スパム同然、あるいは低品質なサイト」につながることが多い、と書いた。

注目すべきは、その次の一文の主語だ。彼は、Googleのシステムが古いページを根拠に、そのサイトがユーザーに良い価値を提供することへの信頼を失っている可能性がある、と述べている。主語はページではなく、サイトである。

ページを消しても、評価は残る

Muellerは回復についてもコメントしている。この状態を解消するには時間と相当な労力がかかる、と。そして、どれくらいの作業量と期間になるかの感覚をつかむために、スパム対応やコアアップデートからの回復に取り組んでいる人たちのやり方を参照するとよい、と付け加えた(彼自身は「あなたのサイトがスパムだと言っているわけではない」と断っている)。

ここが実務上の要点になる。ページは午後いっぱいあれば削除できる。だがサイトが背負った評価は、ページが消えたあとも残り続ける可能性がある、という説明だ。「消せば戻る」という前提でスケジュールを引いていると、10月に削除して11月の数字を見て「効果がなかった」と判断してしまう。Muellerの言い方に従うなら、その判断は早すぎる。

背景にはコード生成の容易さがある。彼自身、組み合わせページの量産は以前からプログラマーには簡単だったが、コードジェネレータによってさらに簡単になった、と触れている。生成データをさらに足しても、ユーザーにとって有用にはならない、というのが指摘の中身だ。

ただし、プログラマティックSEOそのものが否定されたわけではない

ここは慎重に読む必要がある。データベースから大量のページを生成する手法自体は、不動産、求人、価格比較、路線検索のように、データそのものがユーザーの求める価値になっている領域では正当な設計だ。Muellerが問題視したのは、属性の総当たりで組み合わせ数だけを増やし、1ページあたりの価値がほとんどない状態のほうである。

判定の分かれ目は、そのページに来た人がそのページでしか得られないものがあるか、であって、生成手段がプログラムかどうかではない。この線引きを混同して、機能しているデータベース型サイトまで畳んでしまうのは、別種の事故になる。

検証したい時期に、計測面が揺れている

やっかいなのは、この仮説を検証する道具のほうも今は安定していないことだ。

9月11日、Google Search Consoleのページインデックス登録レポートから、2026年6月分のデータがまとまって欠落していることが報告された。同じ月、インデックスに関する相談自体も増えている。Googleは一時的なレポートの不具合があったことを認めている。

つまり実務者は、「インデックスされない」「順位が戻らない」という現象について、それがサイト単位の評価によるものなのか、レポート側の不具合なのかを切り分けにくい期間に入っている。原因をアルゴリズムに帰属させるか計測に帰属させるかの判断は、いま急いで下さないほうがいい。

物差し自体の揺れも重なっている。本誌が先日報じたとおり、Googleは従来の1位から10位という位置をサイト運営者側にマッピングするのは難しいと認めている(Googleが「昔の1位〜10位はマッピングが難しい」と認めた)。順位で測る、インデックス数で測る、という2つの物差しが同時に不確かになっているのが2026年9月の状況だ。

棚卸しの手順

量産ページを抱えているサイトが取るべき手順は、次の順序になる。

  1. クラスタ単位で価値を判定する。 URLを1本ずつ見ても判断できない。「属性A×属性B」で生成した群ごとに、検索流入・滞在・コンバージョンを合算し、群として価値が立っているかを見る
  2. 削除・統合・noindexを使い分ける。 群として薄いものは、個別削除より統合が有効なことが多い。10ページの薄い比較を1ページの厚い比較に畳むほうが、消すだけより「価値を示した」証明になる
  3. 回復のタイムラインを月ではなく四半期で引く。 コアアップデートからの回復と同程度の期間を見込む。四半期で見る前提にしておけば、途中で方針を戻さずに済む
  4. 並行して、ページ以外の価値の証拠を積む。 失われたのがサイト単位の信頼なら、回復させる対象もサイト単位だ。少数でも独自性のあるコンテンツを継続して出すほうが、量産ページの整理だけを進めるより早い

大量に立ち上げること自体は簡単でも、実際の価値を提供するのは難しい——Muellerの言い方は、生成コストがほぼゼロになった2026年において、以前より重い意味を持つ。作るコストは下がったが、失った信頼を取り戻すコストは下がっていない。

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