2026年10月17日(土)
SEO

Google検索が25年で最大の転換——AIモード10億人とMay 2026コアアップデートの二重圧力にSEO担当者はどう備えるか

2026年5月、GoogleはI/Oで検索を全面刷新(AIモード10億人、Gemini 3.5 Flash、検索エージェント)し、同時にMay 2026コアアップデートを開始した。本記事は、ゼロクリック60%という構造変化を国内外のデータで裏づけ、情報型と取引型で流入を分けて守るという実務指針まで踏み込んで解説する。

WebTech Journal 編集部

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検索マーケティングの前提が、2026年5月に二重で書き換えられた。一つはGoogleがI/O 2026で発表した検索の全面刷新。もう一つは、その直後に始まったMay 2026コアアップデートだ。片方だけでも順位は揺れる。両方が重なった今、SEO担当者は「待つ」ではなく「設計を変える」局面に入っている。

何が起きたのか——事実の整理

Googleは公式ブログで、AIモードの月間利用者が10億人を突破し、利用開始から四半期ごとにクエリ数が倍増していると発表した。AIモードでの検索クエリは従来検索の平均3倍の長さで、デフォルトモデルは新型のGemini 3.5 Flashに切り替わった。さらに24時間バックグラウンドで情報を追う「情報エージェント」も投入される。Googleはこれを「検索ボックスにとって25年以上で最大の変化」と位置づけている。

そのわずか前日、米国時間5月21日にMay 2026コアアップデートのロールアウトが始まった。完了まで最大2週間、つまり6月初旬まで順位変動が続く見込みだ。国内ではCINCがKeywordmapを用いた一次見解レポートを速報で公開しており、SERPs全体の変動を追える体制が整いつつある。

数字が示す「クリックされない検索」の常態化

ここで考察に入る。AIモードの拡大とコアアップデートを別々の出来事として処理すると、本質を見誤る。両者は同じ方向——検索結果ページ内で完結する体験——を指している。

Digidayがまとめたデータによれば、Similarweb調べでゼロクリック検索はGoogleクエリ全体の約60%、ニュース領域では69%に達した。AIモードに限れば93%がクリックを生まないとする分析もあり、通常のAI Overviews(43%)を大きく上回る。結果として、2025年11月までの1年間でパブリッシャーへの検索流入は世界全体で33%減少。HubSpotは自然流入の7〜8割を失ったと推計し、教育系のCheggも49%減を報告している。

これらを総合すると、「上位表示されればクリックが得られる」という10年来の前提が崩れつつある、と筆者は見る。順位は維持できてもクリックは減る。コアアップデートで上下する以前に、土台のクリック率そのものが構造的に下方シフトしているのだ。

ただし「終わり」と決めつけるのは早い

一方で、悲観一色も正確ではない。AI Overviewsの表示率はテーマで大きく異なり、ヘルスケア領域が43%なのに対しECや商品比較は3.2%にとどまるとの集計がある。取引意図の強いクエリでは、ユーザーは依然として比較・購入のためにサイトを訪れる。情報提供型の記事が直撃を受ける一方、購買導線に近いコンテンツは相対的に守られている、という濃淡を見落とすべきではない。

日本のSEO担当者が今すべきこと

第一に、自社流入を「情報型」と「取引型」に分解して計測すること。前者の流入が落ちても慌てず、後者の維持・強化に資源を寄せる判断ができる。第二に、AIモードに引用される前提でコンテンツを設計し直すこと。長く具体的なクエリに対し、結論・根拠・一次情報を構造化して提示する、いわゆるGEO(生成エンジン最適化)の発想が要る。第三に、コアアップデートの変動は2週間待ってから評価すること。ロールアウト途中の順位で施策を打つと、揺り戻しに振り回される。

クリックを前提にしたKPIから、検索内での露出と指名想起を含めたKPIへ。評価軸の組み替えこそ、この二重変化に対する最も現実的な備えである。

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