2026年9月2日(水)
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Google広告の「言語」設定が9月下旬に消える——日本語配信を守っていたのは設定ではなく、広告文とLPの言語だったと気づく前に

Googleは9月下旬から、検索キャンペーンとAI Max for Searchのキャンペーンレベル言語設定を撤廃する。以後の言語マッチングは広告クリエイティブの言語と、ユーザーが理解する言語のシグナルで自動判定される。言語の除外は今回も実装されない。8月17日の入札仕様変更、9月1日のAI Max自動移行に続く3つ目の「手動レバー回収」であり、多言語・インバウンド案件では設計そのものの見直しが要る。

WebTech Journal 編集部

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Google広告のキャンペーン設定から、また一つチェックボックスが消える。今回は「言語」だ。

Search Engine Landが8月13日に報じたところによると、Googleは9月下旬から、検索キャンペーンおよびAI Max for Searchキャンペーンのキャンペーンレベル言語ターゲティング設定を撤廃する。広告主が対象言語を明示的に選ぶ方式をやめ、広告そのものの言語と、そのユーザーがどの言語を理解するかについてのシグナルを組み合わせて、Googleの自動システムが配信を判断する。Search Engine Journalも同内容を確認しており、Google側の説明は「言語ターゲティングの簡素化、冗長性の排除、設定ミスの防止」だ。

何が消えて、何が残るのか

変更の適用範囲は一様ではない。

  • 検索/AI Max for Search: キャンペーンレベルの言語設定が消える。広告の言語に基づいて自動マッチング。
  • P-MAX: Google検索面ではキャンペーンレベル言語が使われなくなり、検索キャンペーンと同じ挙動になる。一方でYouTube、ディスプレイ、Discover、Gmailでは引き続きキャンペーンレベルの言語設定が配信を制御する。P-MAX内のショッピング広告は言語設定の影響を受けない。
  • 言語の除外: 現在サポートされておらず、今回の変更後もサポートされない。

最後の一点が実務上いちばん重い。「この言語には出したくない」という制御は、これまでも正面からはできなかったが、これからは間接的な手段すら細くなる。

判定シグナルは「UI言語」だけではない

Googleは以前から、ユーザーのインターフェース言語だけで理解言語を判定してはいない。検索面では検索語句そのものの言語、ユーザーの言語設定、その他の嗜好シグナルが使われる。Search Engine Landが挙げる例が分かりやすい——ブラウザをスペイン語に設定しているが日常的に英語で検索する人には、どちらの言語の広告も配信されうる。複数の適格キャンペーンが存在する場合は、AIベースの広告グループ優先順位付けが、そのユーザーにとって最も関連性の高い言語の広告候補を選ぶ。

日本の広告主にとっての意味

ここからは筆者の見立てである。

日本のアカウントの多くは、言語設定を「日本語」のまま放置している。これは実質的に無害だった。日本語で検索する人にしか出ないなら、設定を触る理由がなかったからだ。この層にとって、9月下旬の変更は本当に何も起きない可能性が高い。Googleが「既存キャンペーンに対応は不要」と言っているのは、この多数派を指している。

影響が出るのは次の3種類だ。

  1. インバウンド・多言語サイトを運用しているアカウント。日本語キャンペーンと英語キャンペーンを言語設定で切り分けている場合、9月下旬以降は広告文とLPの言語が唯一の分岐になる。日本語LPに英語の広告見出しを混ぜているような不整合は、そのまま配信の乱れになる。

  2. 英語圏ユーザーを意図的に除外していたアカウント。訪日客向けではない国内サービスで、英語話者からの無効に近いクリックを抑えたいケース。除外が実装されない以上、地域ターゲティングと除外キーワード、そしてLPの言語一貫性で守るしかない。

  3. 言語別にレポートを組んでいるアカウント。設定が消えれば、言語ディメンションでの前年比較が成立しなくなる。

3か月で3つ、手動レバーが回収されている

注目すべきは、これが単発の変更ではないことだ。8月17日には予算による制限を受けているtCPA/tROASキャンペーンの挙動が変わり、目標を上回っていた実績が設定値へ寄せられるようになった。9月1日からは、キャンペーンレベル部分一致と自動作成アセットを使う検索キャンペーンがAI Maxへ順次自動移行される。そして9月下旬に言語設定が消える。

入札の「上振れ」、マッチタイプの「据え置き」、配信対象言語の「明示」。この3つはいずれも、広告主が結果を予測するために握っていたレバーだった。Googleの説明はいずれも「簡素化」と「自動化の精度向上」で一貫している。一方で、AIエージェントが広告枠を交渉で買い始めている流れと重ねると、手動での微調整を前提とした運用設計そのものが、静かに耐用年数を迎えつつあると見ることもできる。

9月中旬までにやること

  1. 言語ディメンションのレポートを今のうちにエクスポートする。 変更後は取得できなくなる。過去12か月分を手元に残しておく。
  2. 広告文とLPの言語一貫性を監査する。 特に英語の商品名やキャッチコピーを日本語広告に混ぜているアカウント。これからは広告文の言語が配信判断の主役になる。
  3. 多言語アカウントは、言語別キャンペーンを「広告文の言語で分ける」構造へ組み替える。 キャンペーン単位の言語設定に依存した出し分けは9月下旬で機能しなくなる。
  4. 9月下旬前後2週間の指標をベースラインとして記録する。 変更の影響とAI Max移行の影響が重なる時期なので、切り分けのための基準線が必要になる。

Googleは「対応不要」と言っているが、それは「壊れない」という意味であって「変わらない」という意味ではない。

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