2026年9月20日(日)
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LINE公式アカウントの追加メッセージが10月1日に2段階制へ——20万通配信で月5万円増、見落とされている「上限359万通」の強制引き下げ

LINEヤフーが9月1日に再掲した料金改定のお知らせが、10月1日に施行される。段階的に単価が下がる現行の従量課金が、20万通まで3円・超過分2.5円の2段階に変わる。公式の計算例どおりなら20万通配信の月額は55万円から60万円へ。だが実務で効くのは単価より、同時に行われる追加メッセージ上限の359万通への引き下げと、上限目安設定が新料金で再換算される点だ。残り3週間で何を確認すべきかを整理する。

WebTech Journal 編集部

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3週間後に効く改定が、2月の告知のまま置かれている

LINEヤフーが「【重要:再掲】LINE公式アカウント 追加メッセージ料金改定のお知らせ」を更新したのは9月1日だ。中身自体は2026年2月16日に公開されたもので、3月31日に施行日(2026年10月1日)が明記され、6月30日に上限値の変更が追記されている。半年以上前から決まっていた話が、いよいよ3週間後に迫った。

対象国・地域は日本のみ。スタンダードプラン(月額15,000円・税別/無料メッセージ30,000通)で無料枠を超えて配信しているアカウントだけが影響を受ける。ライトプランとコミュニケーションプランは追加メッセージそのものを配信できないため、関係がない。

単価表は「配信するほど下がる」から「20万通で1回だけ下がる」へ

現行の追加メッセージは、配信数が増えるほど単価が下がる多段階制だ。LINEヤフーが料金プランページに載せている計算例がわかりやすい。

例)200,000通配信の場合 (50,000通×3円)+(50,000通×2.8円)+(100,000通×2.6円)=550,000円

10月1日以降は、これが2段階になる。20万通/月までは1通3円、20万通を超えた分から1通2.5円(いずれも税別)。同じ20万通を配信すると600,000円だ。

つまり20万通ちょうどの配信で月5万円、率にして約9.1%の増額になる。公式のユースケース表では50万通で1,350,000円、300万通で7,600,000円、700万通で17,600,000円、1,000万通で25,100,000円。いずれも「20万通×3円=600,000円」に超過分×2.5円を足した数字で、計算は素直だ。

構造としてはシンプルになった。ただしシンプル化の中身は、中量帯(5万〜20万通)で効いていた2.8円・2.6円の割引が消え、一律3円に戻ったということでもある。恩恵を受けるのは20万通を大きく超えるアカウントに限られる。月5万〜20万通のレンジで運用しているアカウント——国内の多くの中堅EC・店舗系アカウントがここにいるはずだ——が、今回の改定をもっとも素直な値上げとして受け取る層になる。

単価より先に確認すべきは「上限」の2行

料金の話は表計算で片付く。実務でトラブルになりやすいのは、同じ告知に併記されている上限まわりの2点のほうだ。

1つめ。上限引き上げ申請が承認された場合の最大値が359万通に変更される。 LINEヤフーは「現在359万通を超える上限設定が適用されている場合は、2026年10月より上限値を359万通に引き下げを行います」と明記している。359万通を超える設定を維持したい場合は、認定セールスパートナーへの相談が必要になる。大規模アカウントにとっては、単価より先に配信計画そのものを制約する変更だ。

2つめ。追加メッセージ数の上限目安を設定する機能が、2026年10月以降は新料金での換算になる。 ここが一番見落とされやすい。上限目安は「通数」で設定するが、その通数が金額に換算される際のレートが変わる。LINEヤフー自身が「同じ通数設定でも利用料金の上限額が変更前より高くなる可能性があります」と書いている。予算の天井を金額ベースで管理してきたアカウントは、10月1日を境に、想定より高い金額まで配信が走ってしまう。

しかも公式は、上限目安を0に設定していても「ご利用状況に応じて追加メッセージ料金が発生する場合がございます」としている。上限はあくまで目安であり、連続配信などの配信方法によっては超過することがある、とも書かれている。上限設定を安全弁として全面的に信頼する運用は、改定前からそもそも危うかった。

「配信すればするほど得」という前提が外れる

ここからは筆者の見方だ。今回の改定は単なる値上げというより、LINE公式アカウントの設計思想の転換に見える。

多段階の逓減単価は、事実上「一斉配信の量を増やすほど1通あたりが安くなる」というインセンティブだった。これが20万通という一点でしか下がらなくなると、20万通に届かないアカウントにとって「とりあえず全員に送る」の経済合理性は下がる。LINEヤフー自身が改定の背景として、ユーザーの属性・行動に応じた配信の多様化・高度化を挙げているのは、その方向を示唆していると考えられる。

ただし、ここには反論もありうる。絞り込み配信もステップ配信も課金対象としてカウントされる以上、「セグメントを切れば安くなる」わけではない。安くなるのは配信対象を減らしたときだけだ。配信の精緻化はコスト削減の手段ではなく、減らした通数あたりの成果を維持するための手段でしかない。単価上昇分をセグメント精度で取り返せるかどうかは、そのアカウントが持っているデータの質に完全に依存する。「高度化しろ」というメッセージは、データが薄いアカウントには実質的な値上げとしてしか届かない。

なお、料金改定はこれで終わりではない。同じ料金プランページには、2026年12月1日にプレミアムIDの料金改定を行う旨も注記されている。年内にもう一度、コスト前提を見直す機会が来る。

10月1日までにやること

  • 直近3ヶ月の追加メッセージ通数を月次で出し、新レート(20万通まで3円/超過分2.5円)で再計算する。20万通未満なら素直に一律3円で見積もる
  • 追加メッセージ数の上限目安の設定値を確認する。金額ベースで天井を管理していたなら、新料金換算後の金額を出し直して設定を変更する
  • 現在の上限設定が359万通を超えているかを確認する。超えていれば10月に強制的に引き下げられるため、事前に認定セールスパートナーへ相談する
  • ブロック済みの友だちには配信されないため、実効配信通数と請求通数の差を把握しておく。見積もりの精度はここで決まる
  • 12月1日のプレミアムID改定も含め、年内のLINE関連コストを一度まとめて洗う

値上げ幅そのものは9%台で、これ単体で予算が崩れる規模ではない。危ないのは、上限まわりの2行を読まないまま10月を迎えて、想定より高い天井まで配信が走ってしまうケースだ。確認作業は15分で終わる。

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