2026年9月20日(日)
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Merchant Centerに商品動画欄、ショッピング広告に「あと5日」——同じ日に出た3つの変更が、商品フィードに要求しはじめたもの

9月11日、Merchant Centerに商品動画のアップロード欄(6〜240秒、720p以上、9:16/16:9/1:1、500MB以下)が追加され、ショッピング広告ではセール残り日数を示す「5 days left」ラベルの実験が確認された。同時にGoogle Adsのレポートがロイヤルティ会員でセグメント可能に。静止画・タイトル・価格・在庫の4点セットから、動画・期限・会員属性を含むフィードへ。既存素材の棚卸しから今週着手できる手順と、二重価格表示の注意点を整理する。

WebTech Journal 編集部

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9月11日、Googleのショッピング周辺で3つの変更が同時に見つかった。個別に見ればどれも小さい。並べると、商品フィードに求められる中身が変わりつつあることがわかる。

見つかった3つ

  1. Merchant Centerに商品動画のアップロード欄が追加された。 「Product videos」という新セクションで、Merchant Center内の「Add videos」ページにはこう書かれている。「商品動画は、より魅力的で没入感のある体験を顧客に提供します。あらゆる角度から商品を見せ、フィット感を実演し、質感を示し、静止画では捉えきれない細部を伝えられます」。LinkedInでArpan Banerjee氏が発見した。

仕様は明快だ。

  • 最短6秒、最長240秒
  • 解像度720p以上(低解像度・ぼやけ・ピンボケは不可)
  • アスペクト比 9:16 / 16:9 / 1:1
  • 1ファイル500MB以下
  1. ショッピング広告に「あと◯日」ラベルの実験が始まった。 検索結果のスポンサー枠で、セールや値引きの残り日数を表示する属性だ。Sachin Patel氏が投稿したスクリーンショットには「5 days left」と出ている。Googleの広報担当者は「これは非常に初期段階の実験で、現時点で共有できる詳細はない」と認めた。

  2. Google Adsのレポートが「ロイヤルティプログラム会員」でセグメント可能になった。 先月、顧客リテンションのオプションとして追加された同項目が、レポートのセグメントドロップダウンにも現れた。

3つを重ねると何が見えるか

ここからは考察になる。この3つは別々のチームの別々のリリースだろうが、要求している入力は同じ方向を向いている。

これまでGoogleのショッピング面に必要だったのは、静止画・タイトル・価格・在庫という4点セットだった。ここに動画(見せ方の情報)、期限(緊急性の情報)、会員属性(関係性の情報)が加わろうとしている。静的なカタログから、時間軸と顧客関係を持ったフィードへ、という移行だ。

なぜいまか。IABが9月10日に公開した調査では、コマースメディアの2026年成長見通しが13.6%へ1.5ポイント上方修正されている。ショッピング面は広告在庫として拡大局面にあり、在庫を増やすには表示できる部品を増やす必要がある。動画枠も残り日数ラベルも、Google側から見れば新しい表示部品の追加だ。

そしてもうひとつ。本誌が9月11日に報じたChatGPT広告のAmazon DSP接続が示すように、商品情報を要求する会話型の面が増えている。フィードの中身が薄いと、Google検索でもAIアシスタント上でも、同じ理由で不利になる。フィード整備は「Googleショッピング対策」ではなく、商品情報の供給インフラの整備に位置づけが変わりつつある。

「あと5日」ラベルは、誰の武器になるか

残り日数の表示は、一見どのEC事業者にも等しく開かれた機能に見える。だが実際には効き方が非対称になる可能性が高い。

恩恵を受けやすいのは、期間限定セールを計画的に回している事業者だ。開始日と終了日をフィードに正しく入れていれば、SERP上で自動的に緊急性が付与される。逆に、常時値引きに近い運用をしている事業者は、そもそも「あと◯日」が意味を持たない。値引き施策の設計そのものが、SERPでの見え方に直結する。

懸念もある。残り日数表示は、消費者心理に働きかける典型的な緊急性訴求だ。実際には終了後すぐに同じセールが再開される、といった運用が横行すれば、景品表示法の有利誤認や二重価格表示の論点に近づく。Googleが「非常に初期段階の実験」と慎重に表現しているのは、この種の副作用を測っている段階だからだとも読める。日本で展開される場合、二重価格表示の運用基準との整合を確認しておくべき領域だ。

動画の仕様から逆算してできること

商品動画の仕様は、実務者にとって親切な粒度で公開されている。ここから逆算すると、いま着手できることが具体的になる。

最短6秒という下限が重要だ。 240秒の商品紹介動画を新規制作する必要はない。既存のInstagramリールやTikTok向けに作った素材、撮影時のBロールが、6秒以上あればそのまま候補になる。アスペクト比が9:16/16:9/1:1の3種すべて許容されている点も、既存素材の流用を前提にした設計に見える。

優先順位は「静止画で伝わらない商品」から。 Googleの説明文が挙げているのは、フィット感・質感・細部だ。アパレル、家具、食品、コスメのように、静止画とレビューの間の情報ギャップが返品率に直結するカテゴリから着手するのが費用対効果が高い。

720pの下限は、いま撮り直しの理由にならない。 スマートフォンで撮った素材はほぼ要件を満たす。低解像度・ぼやけ・ピンボケが明示的に不可とされている以上、必要なのは高価な機材ではなく、ピントの合った素材を選別する工程だ。

ロイヤルティ会員セグメントは、まずレポートから使う。 入札を分ける前に、既存会員と新規で獲得単価や購入単価がどれだけ違うかを可視化する。IABの調査では2026年の投資目的として「新規顧客獲得」が63%へ9ポイント上昇し、「リピート購入」は24%で横ばいだった。会員と非会員を分けて見なければ、この配分判断そのものができない。

冷静に見ておくべきこと

3つのうち、確定しているのはMerchant Centerの動画欄とレポートセグメントの2つで、「あと◯日」ラベルは実験段階だ。実験は取り下げられることがある。この機能を前提にセール設計を組み替えるのは早い。

また、商品動画のアップロード欄が用意されたことと、その動画が検索結果でどれだけ表示されるかは別の話である。Merchant Centerには昨年、動画アセットを扱うクリエイティブコンテンツのセクションが既に追加されており、今回のものはそれとは別の入口に見えるが、掲載面や露出の増分についてGoogleは何も約束していない。

それでも、動画を入れておくコストは低い。既存素材の棚卸しから始めるなら、今週中に終わる作業だ。効果が読めない機能に対して、投資が小さく回収の芽がある選択肢は、そう多くない。

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