2026年9月20日(日)
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LPに残った「20%OFF」が、許可なく広告文になる——Google広告の自動プロモーションが始めた「オファーの自動抽出」

Google広告が9月7日、ランディングページから割引やキャンペーン情報を自動で抽出し、検索・P-MAX広告に付与する「自動プロモーション」のヘルプを公開した。発動条件は住所アセット付きの稼働キャンペーンで、手動プロモーションが動いていないこと。終了したセール表記をLPに残している日本の小売にとって、これは景品表示法の論点に触れうるリスクになる。オプトアウトと回避策、そして今週やるべき3つの確認事項を整理した。

WebTech Journal 編集部

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去年の年末セールのバナー、まだLPに残っていないだろうか。「今なら20%OFF」の文言が、更新されないまま下層ページに埋もれていないだろうか。

9月7日にGoogle広告が公開した新しいヘルプドキュメントは、その放置が広告文になりうることを意味している。

Googleがあなたのサイトからオファーを抜き出す

新機能の名前は「自動プロモーション(Automated promotions)」。PPC News FeedのHana Kobzová氏が最初に指摘し、Search Engine Roundtableが9月7日に報じた。

ヘルプにはこう書かれている。

Google広告は、あなたのウェブサイトのランディングページからプロモーションを特定し、取得します(「1つ買えばもう1つ無料」など)。それらは対象となる検索キャンペーンおよびP-MAXキャンペーンに自動的に付与されます。

Googleが挙げた例は具体的だ。ランディングページに「黒いセーターが20%オフ」という記載があれば、Googleはこの情報を自動で抽出し、対象となる広告に付与して、検索結果に20%割引として表示する。

対象になる条件は3つ。

  1. アクティブな検索キャンペーンまたはP-MAXキャンペーンで、住所アセット(Location Assets)が付いていること
  2. そのキャンペーンで手動のプロモーションが動いていないこと
  3. 標準のGoogle広告ポリシーに準拠していること

検出されたプロモーションは24時間以内に再検証される。アカウントレベルの自動アセット設定からオプトアウトも可能だ。そしてGoogle自身が、ヘルプの中でこう書き添えている——「ウェブサイトのプロモーション情報を最新に保つか、表示内容を正確に制御したい場合は手動でプロモーションをアップロードしてください」。

これは注意書きというより、警告に近い。

同じ週、EUでは「価格はデバイスで変わる」と書かれた

もう一つ、並べておきたい動きがある。

同じ9月7日、GoogleのDMA対応の予約ウィジェットに、新しい注記が表示されているのが確認された。Radu Oncescu氏がXに投稿したスクリーンショットには、こう書かれている。

この価格は、予約パートナーがデバイスタイプなどの要因に基づいてカスタマイズしたものです。

EU域内でのDMA適用に伴う開示だ。日本には直接関係しない。だが、この2つを並べると見えてくるものがある。

検索面における「価格とオファーの提示権」が、事業者からプラットフォームへ移動している。 一方では、Googleがサイトから割引情報を勝手に取り出して広告に載せる。もう一方では、表示される価格がデバイスタイプで出し分けられていることを、プラットフォームが開示しなければならない状態になっている。どちらも、事業者が「自分の価格を自分で見せる」構造ではない。

日本の実務で、最初に効いてくるリスク

ここからは筆者の考察になる。

自動プロモーションの発動条件に住所アセットが含まれている以上、最初に影響を受けるのは実店舗を持つ小売・飲食・サービス業だ。EC専業よりも、多店舗展開の企業のほうが先に当たる。

そして日本固有の論点として、終了したセール表記の放置が挙げられる。

日本の小売サイトでは、キャンペーンLPが終了後もURLごと残っていることが珍しくない。SEO評価を落としたくない、内部リンクが張られている、単に運用が追いついていない——理由はさまざまだが、結果として「終わった20%OFF」が公開状態で残る。それがGoogleに抽出され、広告文として復活した場合、実際には適用されない割引を広告で表示することになる。

景品表示法の有利誤認表示や二重価格表示の論点に触れる可能性は、少なくとも検討に値する。念のため書いておくと、これは筆者の懸念であって、消費者庁の見解でもGoogleの見解でもない。だが「広告文はGoogleが自動生成したものです」という説明が、表示責任の免責になるとは考えにくい。

今週やっておくべき3つのこと

  1. アカウントレベルの自動アセット設定を開く

自動プロモーションがどの扱いになっているか、まず現状を確認する。オプトアウトの導線はここにある。

  1. 手動プロモーションを1本常時稼働させる

発動条件の2番目——「手動のプロモーションが動いていないこと」——を逆手に取る方法だ。正確な制御が必要なキャンペーンでは、意図したプロモーションを手動で入れておけば、自動抽出は動かない。Google自身が案内している回避策でもある。

  1. LP上のセール表記に「期限」を書き、終了後は消す運用を作る

これは広告の話であると同時に、コンテンツ運用の話だ。人間の読者向けには「終わったセールのページ」で済んでいたものが、機械に読まれる前提では在庫データと同じ扱いになる。期限のない割引表記は、そもそも書かないほうがいい。

反対側の見方

自動化そのものを否定するつもりはない。多店舗展開の小売にとって、店舗ごと・時期ごとのプロモーションを手動でアセット登録する作業は、実際に重い。LPが常に最新に保たれている企業なら、この機能は素直に工数削減になる。

問題は、この機能がLPの更新精度をそのまま広告の正確性に変換してしまう点にある。サイトの運用品質が低い企業ほど、自動化の恩恵ではなくリスクを受け取る設計になっている。

Google広告の自動化をめぐる本誌の既報としては、「審査は通っているのに出ない」——制限付き配信が全プロダクトへも併せて読んでほしい。広告主の手から離れていく領域は、露出の量だけではなくなった。今度は、広告に書かれる中身のほうだ。

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