Microsoft広告が、ページタイトルの文字列で配信先を除外できる「除外コンテンツ用語(Excluded Content Terms)」を全広告主に開放した。Search Engine Landは9月28日付でこれを報じている。上限は1アカウントあたり1,000語。自動化された配信が広がるなか、広告主が自分の言葉で「ここには出したくない」を指定できる手段が増えた。
仕様の要点
PPC LandとMicrosoft公式ドキュメントによれば、設定は「ツール>コンテンツの適合性」から行い、アカウント単位またはキャンペーン単位で適用できる。対象はオーディエンス、Performance Max、検索、ショッピングの各キャンペーンで、プレミアムストリーミングは未対応だ。用語は1行1語で入力し、ページタイトルにその語を含むページへの配信を避ける。Microsoftは、除外がすべて確実にブロックされることは保証できないと明記している。
なお、Search Engine Landは全広告主への開放と伝える一方、公式ドキュメントには本稿の確認時点で「全広告主にはまだ展開されていない」との記載が残っていた。実際に自分のアカウントで使えるかは、管理画面での確認が必要だ。
考察:便利だが、文字列一致は「粗い網」
ここからは筆者の分析だ。この機能の仕組みは、ページタイトルへの単純な文字列一致である。PPC Landは、過去に「die」を除外リストに入れた結果、「foodie」や「diet」を含むページまで巻き込んだ例を紹介している。ブランドを守るつもりが、本来配信したい健全な面を失う(過剰ブロック)リスクは常にある。
逆に、タイトルに含まれない文脈の問題、たとえば本文中の不適切な表現や、動画・画像の内容は、この仕組みでは捉えきれない。Microsoftが別途提供するIntegral Ad Scienceによるカテゴリ除外(アダルト、暴力、ギャンブルなど既定でブロックされるカテゴリ)と、用語除外を役割分担して併用する発想が要る。
業界の流れ:自動化が進むほど「除外」の重要性が増す
PPC Landによれば、Googleも2026年1月14日にアカウント単位の配置除外を導入し、P-MAX、Demand Gen、YouTube、ディスプレイをまたいで管理できるようにした。本誌が報じたGoogle検索広告のAI Max自動移行のように、入札も配信面も自動化が標準になるほど、広告主に残る主導権は「何をやらないか」の指定に集約されていく。除外設定は、いまや運用者の腕の見せどころだ。
なお、日本のMicrosoft広告での提供状況は本稿の時点で確認できていない。日本語ページタイトルへの一致挙動も未検証で、日本語では語の切れ目が曖昧なため、過剰ブロックの出方は英語と異なる可能性がある。
今週やること
- 管理画面で利用可否を確認:コンテンツの適合性メニューに用語除外が出ているか見る
- リスク語を「厳選」する:一般語は避け、ブランド毀損が明確な語だけを少数から始める
- 除外前後で配信面レポートを比較:インプレッションの落ち込み方から、過剰ブロックの有無を検証する
1,000語という上限は大きく見えるが、増やすほど網の粗さが効いてくる。少数精鋭で始めるのが安全だ。