2026年11月7日(土)
業界動向

順位計測ツールが「汚染されたSERP」を掴まされている——Nozzle・Ahrefs・SE Rankingの数字が割れる中、9〜10月の順位レポートをどう読むか

9月下旬以降、Googleが順位計測ツールに差し替えた検索結果を返している疑いが浮上した。Nozzleは8.0%、Ahrefsは5〜20%、AccuRankerは1%未満と数字は割れ、Googleは公式コメントを出していない。「急落して数日で戻る」動きをアップデートの影響と誤読しないための、レポートの読み方と確認手順を整理する。

WebTech Journal 編集部

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9月下旬から、順位計測ツールの数字が「急落して数日で戻る」動きをしていないか。その原因として、Googleが計測ツールに偽の検索結果を返している可能性が、複数のベンダーの数字とともに浮上している。ただし各社の数値は食い違っており、Googleは公式にコメントしていない。

Nozzleが示した「ブロックの次は汚染」

SERP計測のNozzleは10月10日、「Poisoned Google SERPs」と題した調査を公開した。PPC Landの紹介によると、9月13日〜10月9日の2,750万件のSERP(49か国)のうち、通常の上位サイトが半数未満しか現れない「汚染済み」ページは8.0%(基準期間は0.17%)。9月27〜29日には24.9〜27.0%に達した。汚染ページでは追跡対象サイトの58.6%がトップ10から消え(基準は2.7%)、Redditなどの掲載が増えた。多くは数日で通常の結果に戻った。

各社の数字は割れている

Search Engine RoundtableとSearch Engine Journalを重ねると、ベンダーごとの見方は次のとおり。

  • Ahrefs(10月22日):データ提供元により5〜20%の結果が影響を受けたとして、フィルター導入と過去データの修正を進めている
  • SE Ranking:10月16日時点で約2%が残存し、縮小中
  • SEOmonitor:1日の結果の約8%が不完全または不正と推定し、9月25〜28日分を再処理
  • AccuRanker:独自の確認で10月中旬は1%未満

測り方が違うため、数字は直接比較できない。Nozzleの数字を含め、独立した監査は示されていない。さらにBrightLocalは、自社の観察では1ページ目に影響はなく、10位より下で起きやすいとする。「トップ10から消える」とするNozzleとは食い違う。

考察:問題は「誤差」より「誤読」にある

原因について、Googleの発表はない。NozzleのDerek Perkins氏はGoogleが大規模なIPブロック、CAPTCHAの増加、疑わしいリクエストへの不正データ注入という3段階で対応していると説明する。Barry Schwartz氏はAIボットやSerpApiが標的で、SEOツールは巻き添えという見方を示すが、これは同氏の推測だ。

筆者が重視するのは、被害の大きさより形だ。汚染は多くが1回の収集で終わり、数日で戻る。つまり月次の平均では埋もれ、日次や週次で見ると「急落→回復」という劇的なグラフになる。その劇的な動きが、コアアップデートやスパムアップデート(9月29日)の影響として誤って解釈される危険がある。

反論もある。SEOmonitorは、ビジビリティ指標への影響は小さいと報告している。多くの案件では、実害は限定的かもしれない。

日本の実務者がすべきこと

国内ツールの影響は、各社の公式見解を確認できていない。ベンダーに問い合わせる前提で、次を進めたい。

  • 9月13日〜10月下旬の順位推移は、急落があっても3日程度は様子を見てから評価する(多くは3日以内に戻る)
  • 順位ツールとSearch Consoleのクリック・表示回数を併読し、ツールだけの急落を原因と断定しない
  • 複数ツールを併用している場合は、差が出た日付とキーワードを記録する
  • クライアント向けレポートでは、この期間の順位データに「計測ツール側の異常の可能性」と注記する
  • 利用ツールの提供元に、汚染結果の検出・再取得・過去データ修正の方針を確認する

順位ツールは「正解」ではなく「推定値」である。その前提を、報告書の書き方に戻すタイミングだ。

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