2026年10月23日(金)
AI・MarTech

ChatGPT広告は89カ国・10万社超へ——日本は8月に開始済み、10月30日には「広告文の自動書き換え」が既定ONに

OpenAIはChatGPT広告の提供を89カ国・広告主10万社超と公表。日本は8月に開始済みで、10月30日には見出しや説明文をAIが会話に合わせて書き換えるクリエイティブ強化が既存キャンペーンにも有効化される。公表された数字の意味と未公開の部分、薬機法・景表法の観点を含む日本の運用者向けの確認事項を整理する。

WebTech Journal 編集部

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ChatGPT広告の提供先は89カ国、広告主は10万社超。OpenAIが10月21日に公表した数字だ。日本はこの「新規26カ国」には入っていない。すでに8月に始まっているからだ。そして10月30日には、広告文をAIが会話に合わせて自動で書き換える「クリエイティブ強化」が、既存の自社運用キャンペーンにも有効化される。

事実:何がどこまで広がったのか

OpenAIの10月21日付の発表によると、新たに26カ国が加わり、提供国は合計89カ国になった。広告開始から約8カ月で、広告を出稿した広告主は10万社を超える。出稿は技術パートナーまたはセルフサービスのAds Manager経由で、今後の段階で追加フォーマットや計測機能を加えるとしている。新規国として名前が挙がっているのはアルゼンチン、チリ、コロンビア、ペルー、ナイジェリア、南アフリカなどで、日本の言及はない。

日本については、OpenAIの「Testing ads in ChatGPT」に、2026年8月11日の更新時点で日本、英国、メキシコ、ブラジル、韓国で広告が始まったとの記載がある。表示の原則も同ページに書かれている。広告は回答に影響せず、スポンサー表示で区別され、広告主はチャット内容を見られない。対象は18歳以上のログイン済み無料版・Goプランの利用者で、Plus以上のプランには出ない。健康や政治など敏感な話題の近くにも表示されない。

10月30日の変更:広告文が「出稿者の確認なし」で変わりうる

Search Engine Landの報道によれば、OpenAIは10月30日に、セルフサービスの新規・既存キャンペーンへクリエイティブ強化を有効化する。見出しや説明文の変更、画像のリサイズ、遷移先URLの最適化、他言語への翻訳が含まれ、バリエーションは事前またはリアルタイムに生成され、有効時は個別の確認なしで配信されうる。止めるには、10月30日までに広告アカウント設定でオフにする(その後もAds Managerで変更可能)。既存のオプトアウトは維持される。

考察:参入のハードルは下がったが、見えない部分が増える

ここからは筆者の見方だ。出稿国・出稿社数の拡大は、ChatGPT広告が実験段階を抜けつつあることを示す。ただし、公表されたのは「出稿した広告主の数」であり、出稿額や成果は示されていない。OpenAIの10月21日付の発表でも、計測機能の拡充は今後の段階とされ、現時点の計測の説明は見当たらない。

日本の運用者にとっては、広告文の自動書き換えが特に悩ましい。ブランドの言い回しや、薬機法・景品表示法に配慮した表現は、人が審査した文言を前提に設計されていることが多い。リアルタイム生成された文言を事前に確認できない場合、表現チェックの体制をどこに置くかが問われる。この点は日本固有の論点であり、OpenAIの発表に日本向けの記述はない。

反論:流入の規模はまだ小さい

懐疑的な見方も押さえておきたい。Search Engine Roundtableの10月22日付まとめは、3つの調査がAIサービスからの流入・成果をGoogle検索と比べて小さいと示したと伝える(Search Engine Landは「ChatGPTの流入はGoogleの1%未満」と報じた)。本誌のChatGPT流入はGoogleの0.62%とする分析記事でも、規模と質の評価が割れる点を扱った。広告国数の拡大が、そのまま運用効果の裏付けにはならない。

日本の広告主が10月30日までにやること

キーマケの公式ヘルプに基づく整理では、日本の出稿はAds Manager Betaで、目的はリーチ・クリック・コンバージョンの3種、計測はJavaScriptピクセルとConversions APIが用意されている。ただし同記事は、仕様が短期間で変わるとも述べており、数値条件は最新の公式ヘルプで確認したい。そのうえで、実務としては次の流れになる。

  1. 出稿中なら今すぐ設定を確認:クリエイティブ強化を許容するか、オフにするかをキャンペーン単位で判断する
  2. 許容する場合は監視を:配信された実際の文言を確認する運用(表示内容の抜き取りなど)を決める
  3. 計測は自社のUTMで:ChatGPT経由の流入計測はUTM欠落のバグで混乱した。広告クリックは広告主自身のUTMを付けておくと影響を受けにくいとの見方がある(アナリストの予想で、確認された事実ではない)
  4. 小さく試し、検索広告と比較:規模が未知数のうちは、予算を限定して獲得単価を既存チャネルと比べる

「どの国で使えるか」より、「自分の広告文が誰の確認を経て出るのか」が、これからの論点になる。

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