2026年9月1日(火)

最新ニュース

データ分析

GTMスニペットが gtag('config') を無視する日が来る——「動いているから触らない」計測が、静かに壊れる側の条件

Googleがタグマネージャーのヘルプに追記した一文が重い。gtm.jsスニペットは今後 gtag('config') を認識も待機もしなくなる。GTM以外のID(G-/AW-/DC-)をgtm.js経由で読み込んでいるサイトは「非対応実装」に分類され、該当コンテナには通知メールがすでに届いている。7月9日の挙動変更から8月20日の統合発表までを時系列で追い、自社が該当するかを5分で判定する手順と、直し方2通りをまとめる。

広告

ChatGPT広告の入口は、半年で5万ドルから1日7.6ドルになった——日本はすでに配信国、それでも自己出稿はまだできない

8月27日、OpenAIがインドのChatGPT無料版・Goプランで広告配信を開始した。翌月には1日最低予算約7.6ドルの広告マネージャーが立ち上がる。米国で今春に始まった同じツールの最低出稿額は5万ドルだった。日本は欧州31市場より前の波ですでに配信対象だが、買えるのは代理店経由のみ。参入障壁が崩れる速度を時系列で追い、自己出稿が解禁される前に日本の広告主が決めておくべきことを整理する。

SEO

「もっと見る」を押す前に、答えは全部出ている——AI Overviewの既定展開で、10本の青リンクはどこまで沈むのか

8月27日、AI Overviewが「もっと見る」を経ずに全文展開し、AIモードの入力欄まで既定で開く挙動が確認された。Googleは「一部のクエリで動的に展開する」と公式に認めている。同じ週、AIモードではサインイン要求のテストとホテル予約機能の投入も進んだ。3つの動きを重ねると、Googleが検索を「回答・対話・取引」の一体型に組み替えつつあることが見える。計測側で何が壊れるかも含めて整理する。

広告

Metaが「この面には出さない」を消しにきた——面が増え続ける中で、配置除外オプションが撤廃される

Metaが広告セットから「配置」設定そのものを削除する予告を一部広告主に出している。プラットフォーム単位の除外も消える。一方でInstagramはCTVアプリのプロモーションを開始し、配信面は増え続けている。面は増えるのに、面を選ぶ権利は消える——この非対称性が何を意味するか。除外設定は本当に効いていたのかという反論も含め、日本の広告主が仕様変更前にやるべき4つの棚卸しを整理する。

SEO

Googleが「パラサイトSEOの罰」をEEAだけ無効化する——8月30日から、同じページの順位が地域で分岐する

Googleが8月28日、サイト評判ポリシー(パラサイトSEO対策)の運用変更を発表した。8月30日以降、手動対策はEEA外の検索結果にのみ効き、EEA内では影響しない。代わりに該当セクションを本体から分離し、独立して評価する方式へ移行する。同時に判定因子4つと具体例も公開された。日本はEEA外だが、越境サイトの順位が地域で割れる問題と、4因子が編集タイアップの設計図として使える点を整理する。

AI・MarTech

あなたのShopifyストアには、8月5日から10個のAI用APIが黙って生えている——WebMCPは「実装の3層」が揃った月に何を変えたか

Shopifyが8月5日、全Liquidストアフロントに10個のWebMCPツールを一括展開した。設定不要、通知もない。同じ月にCloudflareがエッジ注入のプレビューを公開し、OpenAIがChatGPTデスクトップに「Site tools」を追加。サイト・経路・エージェントの3層が同時に埋まった。ただしWebMCPは順位にも引用にも関与しない。エージェント向けインターフェースの決定権がプラットフォームへ移る構造と、日本のEC・Web担当者が今週やるべき4点を整理する。

業界動向

人間には見えず、AIにだけ配信される広告——Perplexityが「欺瞞的」と断じ、Timeの実験を遮断した

TimeがAIクローラー向けMarkdown版ページにだけスポンサー広告を挿入し、Perplexityがこれを欺瞞的として自社インデックスから遮断した。The Registerの検証ではClaudeBotやOAI-SearchBotにはスポンサー入りの版が、Googleの検索クローラーには人間向けHTMLが返っていた。クローキングなのか正当なフィードなのか。IABのフレームワークも未対応のこの空白地帯で、日本の広告主とパブリッシャーが今から確認すべき点を整理する。

最新コラム

すべて見る →
コラム

その効率化は、誰かの時間を奪っていないか——フォーム営業とAI電話に見る、AI開発の倫理

AIによって、専門的な技術を持たない人でも短期間でサービスを開発できるようになった。一方で、問い合わせフォームへの営業送信や、リアルタイム音声AIによる大量架電など、作り手の効率だけを追求し、受け手の時間や社会への影響を無視した開発も目につく。「作れること」と「やってよいこと」は同じではない。AI時代の開発者に必要な倫理観を、経営者として迷惑営業を受ける立場から考える。

上村 謙輔
コラム

1日が30分になっても、私は暇にならなかった——AIは人を幸せにするのか

1日かかっていたレポートが30分で終わり、出力能力は1から100へ増えた。それでも受注や給料、家族との時間は自動では増えない。AIが生む余剰能力が、人員削減や品質競争へ配分される構造を手がかりに、社会の機能的な進歩と人間の幸福がなぜ同じではないのかを、自身の実践から考える。

上村 謙輔
コラム

「エンジニアはもういらない」は半分正しい —— AIで何かを作る人が、次のエンジニアだ

「AIが書けるなら、もうエンジニアは要らない」。SNSではそんな声が飛び交う。だが私は、1年で100個近くアプリを作ってみて、まったく逆の結論にたどり着いた。エンジニアの定義が「コードを書く人」から「テクノロジーで価値を作る人」へと変わるだけだ。そして、その新しい定義の分水嶺は驚くほどシンプルだ——かけたコストを上回る価値を、本当に生めるのか。経営者がいま向き合うべき問いを、実装する側の視点から書いた。

上村 謙輔
コラム

AIは足し算ではなく、掛け算だ ― 「全社員にAI」という号令の前に考えたいこと

「これからはAIを使えない人間に価値はない」――そんな号令とともに、全社員へのAI展開に踏み切る企業が相次いでいる。そのプロセス自体には尊い価値がある。だが私は、現場でいくつもの「その後」を見てきて、一つの疑問を抱くようになった。AIは全社員が等しく使いこなせるツールなのか。私はAIを「掛け算のツール」だと考えている。だとすれば、全社一律の号令は本当に組織を豊かにするのか。本稿は、AI活用を否定するためではなく、より意味のある活用を選び取るための問題提起である。

上村 謙輔
コラム

AI活用は「広く浅く」ではなく「狭く深く」だ — 全社員にAIを使わせる経営に、なぜ未来がないのか

「全社員にAIを使え」という号令が日本中の会社で響いている。社員300人に作らせて100アプリができた、という成果報告も聞く。しかし、誰でも作れるものに価値はあるのか。コンテンツ業界ではすでにAI起因のジリ貧化が始まっており、効率化した分そのまま単価が下がるという皮肉な状況が起きている。私はWeb解析の現場で20年仕事をしてきたが、AIで生き残るために必要なのは「広く浅く」ではなく、自分の専門性を「狭く深く」掘り下げる方向にAIを使うことだ。そしてこれは現場に丸投げできない、経営層が責任を背負うべき戦略課題である。

上村 謙輔